東日本大震災の被害を受けた岩手県で不動産投資を考えることは、抵抗のある人が少なくないかもしれません。
しかし、不動産投資では、賃貸需要が見込める場所があれば賃貸物件を提供することが自然です。
実のところ、現在仮設住宅で暮らしている方で、入居期間が終了するために手ごろな賃貸物件を探しているという方は多いのです。
被災された方の需要に応えることは社会的な貢献ともいえるでしょう。
岩手県では、思いのほか賃貸需要が高いです。
ただし、選択するエリアを間違えると厳しい投資になりかねません。そこで、岩手県で不動産投資をする場合の家賃相場やおすすめの投資エリアをご紹介します。
目次
1. 岩手県の不動産投資情報
不動産投資をするときに大切なことは、選択する物件が位置する地域の情報収集でしょう。
不動産投資は長期にわたって運用しなければなりません。
そこで、情報を整理することで賃貸需要の有無を判断することが効率のよい運用につながるのです。
岩手県の人口増減・賃貸需要・利回りについて紹介!
一般的に人口が多ければ賃貸需要も増え、需要が多ければ利回りも高くなります。そこで、不動産投資に影響する人口の増減や賃貸需要について調べてみましょう。
また、利回りの良し悪しについてもご紹介します。
岩手の人口は、東日本大震災に伴う津波の影響で、震災後の2011年には131万3,000人と前年に比べて1万7,000人減少。
その後、2015年までは毎年1万人程度の減となり、2015年には128万人に減少しています。
岩手の賃貸需要は、空室率が23%~24%程度です。やはり震災に伴う転出などが影響しているのでしょう。
利回りについては、表面利回りにはなりますが13%~18%の間の物件が多いようです。
岩手県で不動産投資がおすすめの理由について
人口が減少しており空室率も低くない岩手県が、なぜ不動産投資におすすめの地域といえるのでしょうか?
ポイントは、震災を乗り越えた岩手県の経済状況などに伴う今後の賃貸需要にあります。
有効求人倍率は高水準にある
財務省東北事務局の「岩手県内経済情勢報告」によると、岩手県内の経済は個人消費の改善により緩やかに回復しています。
雇用情勢も改善しており、有効求人倍率は高水準で推移しています。
震災を乗り越えた現在の経済の状況について
震災による復興需要が岩手経済を支えています。
被災地再建の公共事業や住宅着工が2010年度には1,692億円であったのが、2011年度には2,793億円に増加し、2014年度には5,252億円になっています。
また、新築住宅着工戸数の推移を見ると、2012年度以降は、沿岸被災地の住宅建設や災害公営住宅などの需要がみられ大幅増となっています。
被災地だからこそ賃貸の需要が高い
被災地だから不動産投資には向かないと思っていませんか?実は、被災地だからこそ賃貸の需要が多くなるのです。
被災された方々は、仮設住宅で暮らしています。しかし、仮設住宅の入居期間が終了すると住宅を探さなければなりません。
賃貸物件を探している被災者が多いという現実を支援するためにも、岩手県に賃貸物件を提供することは社会的な要求に応えることになるのではないでしょうか。
物件によっては、自治体の補助が受けられることがあります。
2. 岩手県はどんな場所?おすすめの観光スポットを紹介!
岩手県とは、どのような場所なのでしょうか?投資物件を選択するときには、物件の確認が欠かせません。
そこで、東京から岩手までのアクセスや岩手県を訪れたときに足を延ばす価値のある観光地をご紹介しましょう。
東京から岩手へのアクセス方法
東京から岩手までのアクセス方法としては、盛岡までの移動手段として、高速バス・JR・新幹線があります。
高速バスだと、所要時間が7時間半から9時間程度、片道の運賃が3,500円程度からです。
JRだと所要時間が11時間から12時間程度、片道の運賃が8,500円程度です。新幹線だと、所要時間が2時間半から3時間15分程度、片道の運賃が9,000円から23,500円程度になります。
岩手の観光スポット
岩手県を代表する3つの観光スポットをご紹介しましょう。
3位:浄土ヶ浜
浄土ヶ浜は、本州最東端に位置する宮古市にあり、透明度が高い海に白く鋭い流紋岩がひときわ印象深い景勝地といえます。
名称のいわれは、常安寺の和尚が「さながら極楽浄土のごとし」と形容したことから名づけられたということです。
浄土ヶ浜:岩手県宮古市日立浜町
2位:龍泉洞
龍泉洞は、日本三大鍾乳洞のひとつとして天然記念物に指定されています。
水深98mの第三地底湖や3kmを超える洞窟など自然の神秘性を感じずにはいられません。世界で始めての自然洞穴科学館として貴重な標本も展示されています。
龍泉洞:岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成1-1
1位:中尊寺金色堂
国宝である中尊寺金色堂は世界文化遺産としても知られ、慈覚大師を開山とする日本でも有名な観光スポットです。
藤原清衡・基衡・秀衡と三代のミイラが祭られている金色堂は、訪れる人の多い観光名所といえます。
中尊寺金色堂:岩手県西磐井郡平泉町平泉字衣関202
3. 岩手県の家賃相場と人気のエリア・駅
岩手県で人気のある駅やエリアを単身者向けとファミリー向けに別けてご紹介します。また、家賃相場も記載しておきますので参考にしてください。
単身者向けの家賃の相場と人気のエリア・駅
単身者向けの人気駅は、盛岡の家賃相場が5.3万円程度、仙北町が5.6万円程度、上盛岡が5.0万円程度。
人気エリアは、盛岡市の家賃相場が4.9万円程度、紫波郡矢巾町が5.5万円程度、岩手郡滝沢村が3.9万円程度です。
ファミリー向けの家賃の相場と人気のエリア・駅
ファミリー向けの人気駅は、盛岡の家賃相場が8.3万円程度、仙北町が8.0万円程度、青山が6.5万円程度。
人気エリアは、盛岡市の家賃相場が7.5万円程度、一関市が6.1万円程度、北上市が6.2万円程度です。
4. 岩手県での不動産投資の注意ポイントと今後の見通し
不動産投資をするときに、今後の見通しを立てることは最重要ポイントといえます。あらかじめ、何を注意しなければならないのかをチェックしておきましょう。
岩手県での不動産投資の注意ポイント
岩手県では、震災以降の人口の減少のため、現在は賃貸需要が高いとはいえません。売却価格が安いからといって飛びつくのは危険といえます。
物件の価格が安くても空室率が高ければ収益はあがりません。立地などから需要の有無を注意深く検討する必要があります。
岩手の今後の見通しについて
岩手県の今後の見通しはどうなっているのでしょうか?全国的な傾向である少子高齢化や東日本大震災に対する取組みを確認しておきましょう。
今後益々少子高齢化が進む
少子高齢化の波が顕著に現れている地域といえるでしょう。
盛岡広域振興局の資料によると、生産年齢人口はピーク時に比べて21万人減少し、年少人口は37万人減少しています。ところが、老年人口は33万人増加しているのです。
岩手県の取り組み
岩手県では、東日本大震災の津波により沿岸部を中心に計り知れない被害を受けました。復興に向け県政史上かってない規模で復興の実現に取り組んでいます。
まだまだ震災復興の取り組みが続く
2011年から2013年にかけ基盤復興期間として被災地域の緊急的な復旧の取組みを重点的に実施し、2014年から2016年にかけ本格復興期間として、復興まちづくりを進めるほか被災者の生活の安定のための住宅再建等を実施しています。
順次復興に向けた事業を継続していますが、今後も引き続き総仕上げとしての取組みを推進していく必要があります。
5. 岩手は被災により賃貸の需要が高まっている!投資する場合はエリアや物件を良く見極めた上で行おう
岩手県では、東日本大震災の被害を受けた方の住宅事情が社会問題とされています。
被災された方に暮らしやすい賃貸住宅を提供することは意義のあることでしょう。今後、賃貸の需要が高まってくるのであれば投資先としても有望だといえます。
ただし、少子高齢化の流れを考慮した判断が必要になります。不動産投資のキモといえる需要の見込める物件を選択しなければなりません。
エリアや物件を間違えなければ、将来的にも賃貸需要の見込める地域だといえるでしょう。
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