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オルタナティブ投資とは何か?|不動産市場はオルタナティブ資産に注目中

「オルタナティブ投資」をご存知でしょうか?

オルタナティブ投資とは伝統的資産の株式や債券といった投資対象以外への投資を指す言葉であり、これら株式や債券の値動きとの相関が低いのが特徴です。

この特徴を生かし、伝統的資産とオルタナティブ投資を組み合わせることでリスク分散ができるのです。

今回はオルタナティブ投資の定義からメリット・デメリットをわかりやすく解説していきます。

1. オルタナティブ投資とは|定義から実例まで

オルタナティブ投資は投資対象になる資産の幅が広く、様々な種類があります。

投資の手法も多様化し従来型とは異なり、先物取引やオプション取引、スワップ取引を使い、あらゆる市場のさまざまな局面で収益が得られる機会があります。

従来型のように「買い」だけの取引では、値上がりをしない限り利益は得られません。

そして値下がりした時には損失を出してしまう事になります。しかし、先物取引などで「買い」だけではなく「売り」をおこなうことで値下がりしている局面でも利益を得ることが可能になります。

 

また、オルタナティブ投資は、投資する国・地域の拡大をも意味します

従来は先進国への投資が中心でしたが、オルタナティブ投資では今まであまり投資対象としてこなかった新興国への投資を意味しています。

オルタナティブ=代替

オルナティブ投資の「オルタナティブ」とは「代替え可能な」という意味を持っています。

つまり、従来の株式や債券といった伝統的な資産運用に替わる新しい投資方法という意味なのです。

従来=伝統的4資産

伝統的資産とは国内株式・外国株式(海外株式)・国内債券・外国債券(海外債券)の4つの資産をいいます。現金を伝統的資産とすることもあります。

従来型へのリスクヘッジ

従来型の投資は、国内や先進国への株式や債券への投資でしたが、先進国株式はお互いに価格の連動性が高いため、十分なリスク分散にはなりませんでした。

そこで、リスクの抑制のために代替的な資産へ投資を拡大することになりました。

オルタナティブ投資の種類

オルタナティブ投資にはいくつかの種類があります。それぞれの特徴をわかりやすく説明していきましょう。

ヘッジファンド

ヘッジファンドとは、機関投資家や富裕層などから集めた資金を、デリバティブや商品などの資産に投資して運用するファンドです。

市場の状況に関わらず、いつでも高い収益を上げる絶対収益追求を目的として運用されています。ヘッジファンドは一般的にハイリスク、ハイリターンと言われています。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは新興企業に投資をおこなうファンドのことです。将来的な成長が見込まれる企業へ投資することが特徴です。

コモディティ

コモディティとは「商品」という意味を持ち、「商品先物市場」で取引される商品を指します。

原油などのエネルギーや貴金属(金・銀・プラチナ等)、トウモロコシや小麦・大豆などの穀物などの商品に投資をすることを「コモディティ投資」と呼び、コモディティの種類は以下のようになります。

コモディティは、伝統的資産である株式や債券との相関が低く、リスク分散効果があります。

エネルギー(原油、ガソリンなど)

産業用金属(アルミニウム、銅、鉛など)

貴金属(金、銀、プラチナ(白金)など)

農産物(農作物)(小麦、コーン、大豆など)

畜産物(牛、豚肉など)

出典:良い家計HP(オルタナティブ投資の種類より)

未公開株式

未公開株式非公開株・プライベート・エクイティ)とは、証券取引所(金融商品取引所)には上場していない企業の株をいいます。

未公開株は証券取引所を通して売買はできませんが当事者同士での取引は可能です。日本の中小企業などの株式の多くは未公開株です。

再生ファンド

再生ファンド(企業再生ファンド)は、過剰債務に陥った企業の立て直しを目的にしたファンドで、機関投資家から集めた資金を元に、金融機関から対象会社に債権の買い取り、出資などをおこないリターンを求めるものです。

不動産

オルタナティブ投資の代表的な資産は「不動産」で、一般的に投資する機会が多いものの一つでしょう。

  • 現物の不動産に投資する方法(アパート・マンションなど)
  • 上場されたREITに投資する方法
  • 不動産の小口化商品に投資する方法
  • 不動産投資信託に投資する方法

があり、機関投資家であれば私募REITや私募ファンドへの投資をする方法もあります。

オルタナティブ投資の実例

「厚生年金基金」や「かんぽ生命」が実際におこなっている、リスクヘッジを目的としたオルタナティブ投資への拡大の実例をお伝えしましょう。

厚生年金基金

厚生年金が利回りを確保するために、オルタナティブ投資を拡大する傾向が強まっています。厚生年金はリスク抑制を基本方針としており、オルタナティブ投資は増加しています。

「厚生年金基金の資産運用業務報告書」によると2024年のオルタナティブ投資の割合は、ヘッジファンド53.1%、不動産14.3%、プライベート・エクイティ3.9%、コモディティ0%、その他オルタナティブ38.7%となっています。

かんぽ生命

かんぽ生命もまた2018年度の運用計画で、外国債券に加えて従来の株・債権とはリスク特性の異なるオルタナティブ投資の残高を積み増す方針を打ち出しています。

ヘッジファンドやPEなどのオルタナティブ投資を中長期的に積み増し、オルタナティブ投資を総資産の1%程度まで拡大させる計画を更に3年目には1.5%まで投資する方針に変更しました。

2. オルタナティブ投資のメリット・デメリット

ではオルタナティブ投資のメリットとデメリットについてお伝えしていきましょう。

メリット

オルタナティブ投資の大きなメリットは、従来の伝統的資産(株式・債権)との連動性が低い点にあります。

オルタナティブ投資は、私募で資金を集めるため投資家が限定されることから、公募である伝統的資産と値動きが異なるのです。

つまり、市場の変動に左右されにくく、市場が低迷している場合でも収益が期待できるといわれています。

またオルタナティブ投資では、投資対象の幅が広く、さまざまな投資の選択肢があります。つまり、異なる金融商品に分散投資ができ、リスクを抑えることができるのです。

デメリット・リスク

オルタナティブ投資のデメリットの一つには、複雑でわかりにくいということがあげられます。ヘッジファンドなどは高度な手法を必要とする取引もあり、非常に複雑になってきます。

もう一つは流動性・換金性が低いことでしょう。

基本的に私募で資金を集めるオルタナティブ投資では、少ない人数から資金を集めることになり、流動性は低くなるのです。

流動性が低ければ、買い手も現れにくく、希望のタイミングで売却や換金ができないということになります。

またオルタナティブ投資は短期投資には向かないといわれていて、長期の投資になるため、途中でリスクが発生する可能性も高くなります。

3. 【2018年】不動産市場はオルタナティブ資産に注目中

2018年アメリカの総合不動産サービスの大手企業が、データセンター・研究施設・介護施設・学生寮・教育施設などの不動産をオルタナティブ資産と定義してまとめたレポートによれば、アジア太平洋地域のオルタナティブ不動産資産について、「魅力的な利回りと長期的な成長が期待できる」という理由から、投資家たちが高い関心を寄せているようです。

データセンターなどのオルタナティブ資産の利回りをみると、東京とシンガポールが5~6%となっています。

4. オルタナティブ投資はリスクヘッジの手段の1つ

実例を含めお伝えして来ましたが、オルタナティブ投資は、今までの株式や債券のような伝統的投資のリスクヘッジとしての役割が大きい、新しい投資方法であることと、投資対象資産の幅の広さも魅力の一つです。

個人投資家の場合、初心者が手を出すには難易度が高いオルタナティブ投資ですが、実質的な手数料が高すぎない商品に投資する仕組みがわかりやすいシンプルなものを選んで投資するのが安全でしょう。
 

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