年金改正法の変更内容を紹介!|将来年金はカットされてしまうのか

少子高齢化を迎える日本の現状で、年金問題は特にこれから年金を支給される若い世代には重要な問題と言えます。

年金制度は労働者が高齢者を支えることで成り立っています。

しかし、少子高齢化ということは、支える「労働者」が減り、支えられる「高齢者」が増えるということです。

そのため、将来もらえる年金が、今の水準を保つことは非常に難しいと言われています。

 

そんな中、平成28年12月14日に年金改正法案が可決されました。

この改正案の中には、産前産後の方のフォローなど、時代に合わせたメリットの大きい改正があります。

一方、将来年金をカットされることが色濃くなっている改正もあるのです。

今後年金をもらう世代としては、今回の改正法の内容は知っておかなければいけません。

そこで今回は、改正法の内容、および将来に向けてどのように資産形成すべきかについて解説していきます。

1. 年金改正法の変更概要について

まずは、年金改正法が変更された、以下5つのトピックスを解説していきます。

  1. 短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進
  2. 国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除
  3. 年金額の改定ルールの見直し
  4. 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の組織等の見直し
  5. 日本年金機構の国庫納付規定の整備

①短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進

まず大きく変わった点は、500人以下の企業について、合意があれば企業単位で短時間労働者への被用者保険の適用拡大を可能としたことです。

従来は500人以下の短期労働者(週30時間未満)は被用者保険の適用対象外でしたが、以下の条件を満たしていれば適用されます。

・週20時間以上の勤務
・月額賃金8.8万円以上(年収106万円以上)
・勤務期間は1年以上見込み
・学生は適用除外

目的は、人材不足が課題になる中で労働参加を促すことと、年金水準を確保するという点です。

②国民年金第1号被保険者の産前産後期間の保険料の免除

次に、国民年金第1号被保険者(自営業者)の産前産後期間(出産予定日の前月から4カ月)の保険料を免除し、免除期間は満額の基礎年金を保障するという変更です。

対象者はおよそ20万人いると見込まれます。

要は、産前産後は収入が減少、もしくはゼロになる人もいるので保険料支払いの負担を軽減させるというわけです。

ただし、保険料の不足分が生じるため、財源確保のために国民年金保険料は月額100円ほど引き上げられています。

③年金額の改定ルールの見直し

年金制度を持続させて将来の世代にきちんと給付できるように、以下の年金額改定を行います。

・景気によって金額をスライドさせる
・賃金と物価の変動により金額をスライドさせる

景気が拡大している状態は基本的に賃金(物価)が上がっています。

そのため、年金額の改定率を上昇させ支給額の調整をします。

景気後退期や回復期など、賃金や物価によって景気を判断して、その状況によって保険料と支給額を変更するというわけです。

この点が、将来的に年金支給額が減額される可能性があります。

④年金積立金管理運用独立行政法人の組織等の見直し

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)とは国民が支払った保険料を金融資産で運用し、将来の年金支給額を確保するための組織です。そのGPIFを以下の観点から見直します。

・ガバナンス改革を実施する
・リスク管理方法を多様化する

最近、民間企業でも良く使われる「ガバナンス改革」ですが、簡単にいうと国民から信頼される組織づくりをするということです。

たとえば、合議制の意思決定を導入することよって、GPIFのトップが単独判断できないような仕組みをつくります。

また、意志決定・監督と執行を分離させ、執行部を監督する体制をつくります。

リスク管理方法の多様化とは、具体的には短期資金の運用方法を追加するということです。

簡単にいうと、今まで以上にリスクの高い金融資産に積極的に投資し、国民の年金を増やす努力をするというわけです。

⑤日本年金機構の国庫納付規定の整備

日本年金機構の国庫納付規定の整備とは、「不要な固定資産を国庫(国)に返す」という内容です。

GPIFは、国の年金特別会計で保有している固定資産を承継しています。

その固定資産を譲渡するときや担保に入れるときは厚生労働大臣の認可が必要ですが、以下施設について不適切な処理をしていたことが2015年に指摘されました。

・長期入居者のいない宿舎
・処分方針が決まらない事務所

上記の不要になった固定資産をGPIFが保有し続けることは無駄であるものの、この固定資産を国庫に納付する制度にしていなかったのです。

それを今回の改正にて、不要財産の処分の義務付けや、国庫納付の手続きの義務化に変更しました。

2. 年金改正法により将来年金はカットされてしまう!

さて、上記のような改正が可決されましたが、これらの改正は「年金カット法案」とも呼ばれています。

この最も大きな理由は、「年金額の改定ルールの見直し」が可決されたからでしょう。要は、政府の判断によって景気をジャッジし、年金支給額を減額できてしまうというわけです。

たとえば、将来的に賃金・物価が上がったとします。そうなれば、世の中にお金が回って好景気になりますが、賃金が上がるとそれに伴い個人が支払う年金の金額も増える可能性があります。

ただし、日本の人口は減少し続けるという点を忘れてはいけません。

 

いくら賃金と物価が上がり、個人が支払う年金が上がったとしても、そもそも「年金を支払う労働者」は少なくなっています。

一方で、「年金をもらう高齢者」は増え続けるので、景気が爆発的に良くならない限りは、年金の支給額は減少する可能性の方が高いのです。

現在は、外国人労働者を積極的に受け入れたり、高齢者もどんどん働ける環境にしたりしています。

とはいえ、どこまで労働者が増えるかは不透明なので、年金支給額は減額されると思っておいた方が良いでしょう。

3. 年金には頼らず老後に備えてできる投資方法について

このような状況なので、老後資金は自分で蓄えておくしかありません。

しかし、年代別に老後までの年数は異なるので、自分が今何歳かによって資産形成するための投資方法は変わってきます。

ここでは、20代~60代の年代別におすすめの投資法を解説していきます。総じて言えるのは、自分の収入と貯金を考え、無理のない範囲で投資するという点です。

20代におすすめの投資法

20代におすすめな資産運用方法は以下の通りです。

・純金積立
・定期預金
・保険、個人年金

上記のように、積立や定期という少しずつお金を貯めいていく投資方法が適しているでしょう。

というのも、20代はほかの年代に比べて給与が低いです。一方、資産形成をする時間が一番長いので「少しずつ貯めていく」という方針でも、長期スパンで見るとお金が貯まるのです。

30代におすすめの投資法

30代におすすめな投資方法は以下の通りです。

・投資信託
・保険、個人年金
・国債

30代になると20代よりも収入が増えるケースが多いでしょう。一方、家族数が増える時期でもあり、住宅ローンや養育費などの出費が多くなる時期でもあります。しかし、まだ老後には時間があるので、資産運用しておくメリットは大きいと言えます。

そのため、上記のように20代の投資と比べると、少しだけリスクのある投資信託などを組み込んでみましょう。ただし、国債などの安全資産もポートフォリオに入れておき、リスクヘッジしておくことは重要です。また、換金性の高い投資商品にして、突発的な支出などに対応しやすいようにしておきましょう。

40代におすすめの投資法

40代におすすめ投資方法は以下の通りです。

・投資信託
・不動産投資
・債券

40代になると30代よりも収入が上がっているケースが多いでしょう。引き続き子供の養育費などの支出はありますが、投資に回せるお金が増えていることと思います。

そのため、30代よりも更にリスクの高い投資をおすすめします。投資信託も、30代で選択したものよりリスクの高い商品でも構いません。

また、不動産投資40代からやっておけば、定年退職するころにはローンもある程度返済できているでしょう。

とはいえ、高額なローンを組むとリスクは大きいので、コンパクトな区分物件の投資からはじめることをおすすめします。

もちろん、人によって収支バランスは異なるので一概には言えませんが、多少のリスクは取って良い時期と言えます。

50代におすすめの投資法

50代におすすめ投資方法は以下の通りです。

・投資信託
・定期預金
・株式投資

50代になると、定年までの期間が分かってくるという点が特徴です。そのため、あまり冒険せずにリスクオフの資産が多めのポートフォリオを組んだ方が良いでしょう。50代になると、子供への養育費や住宅ローンなどの「支出」も減っている時期ですが、その余裕資金は安全資産に投資しましょう。

仮に、ローンなどをはじめとした借金があるなら、投資にまわすよりも、まずは借金を返した方が良いです。60代以降を迎えるにあたり、借金はゼロにしておき、ある程度の金融資産を保有しておくのが望ましいでしょう。

60代におすすめの投資法

60代でおすすめな投資方法は以下の通りです。

・株式投資
・太陽光発電
・不動産投資

定年を迎える60代からの投資は、生活に必要な資金を確保するのが大前提です。その上で余裕資金を利用して投資するようにしましょう。

また、60代になると、人によって保有している金融資産には大きく違ってきます。たとえば、不動産投資を既に行っておりローンを完済していれば、不動産投資から得られる収益は大きいです。

その不動産投資から得た収益をほかの投資に還元できるのであれば、多少リスクオンの商品でも問題ありません。

このように、60代は人によって保有している資産に違いが出るので、どのような資産形成にするかは要検討が必要です。総じて言えるのは、40代の頃のようなアクティブな投資は不要ということです。

4. 将来どうなるか分からない年金を頼るより、自分で老後に備えて無理の無い投資をしてみよう!

このように、年金の改正法は「年金カット」を前提として作られたといっても過言ではありません。

そんな中、どうなるか分からない年金を頼るのはリスクが大きいので、自分自身が老後に備えて資産形成をしなければいけません。

上述した年代ごとのおすすめ投資法を参考にしながら、自分に合った投資を見つけましょう。無理のない範囲で投資することよって、段々と投資に対する知見も蓄えられていきます。

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