「お金を増やしたい」
これは誰しも思っていることだと思います。しかし、投資は何となく怖いから貯金をしておく・・・と考えている人は多いのではないでしょうか?
後述しますが、日本人は貯金する傾向があり、「危険なことをしない」という安全志向の人が多いです。
現に、政府も「貯蓄から投資へ」を推進しているものの、中々うまくいっていないのが現状です。しかし、投資は決して危険なモノだけではありません。
投資といっても色々な商品があり、商品によってリスクもリターンも違います。もっというと、収益を上げるタイミングも違いますし、価格が上下する要因も違うのです。
結論からいうと、貯金だけではお金は増えないので、お金を増やしたければ投資するしかありません。
そこで今回は、投資の種類を解説し、リスク・リターンの考え方も解説していきます。それらを理解した上で、投資をするのか?何にお金を投下するのか?を考えましょう。
目次
1. 貯金でお金を増やす事はできないのか?
さきほどもいったように、貯金でお金を増やすのは非常に難しいです。その理由を以下より解説していきます。
貯金でお金はどれくらい増やせるのか?
繰り返しますが、今の日本では貯金でお金を増やすことはできません。
なぜなら、日本銀行のマイナス金利政策により預金金利は非常に低く、普通預金で0.001%、定期預金で0.01%ほどの銀行もあります。
0.001%ということは、たとえ1億円預けていても1年間で1,000円しか利息がつかないということです。
このような状況なので、貯金でお金を増やすことは難しいと言えます。
日本で貯金している人・投資している人の割合は?
日本銀行統計局(https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjexp.pdf)のレポートによると、日本の家計における預貯金の割合と金融資産の割合は以下の通りです。
合計残高:1,829兆円
現金と預金:961兆円(52.5%)
債券や証券:23兆円(1.3%)
投資信託:73兆円(4%)
株式など:199兆円(10.9%)
保険や年金など:522兆円(28.5%)
その他:51兆円(2.8%)
このように、現金と預金が半分以上を占め、保険や年金などを含めると80%以上になります。一方、債券や投資信託、株式などは約16%ほどです。
アメリカでは金融資産が50%以上、ユーロ圏では30%以上と、いかに日本は現金・預金が好きかが分かります。
投資運用で貯金はどれだけ増やす事ができるのか?
一概にはいえませんが、不動産証券化協会が出典している資料(https://j-reit.jp/market/03.html)によると、投資商品の利回りは以下の通りです。
東証1部(配当利回り):2%前後
J-REIT:4%前後
不動産投資:4%~8%前後
仮に、利回り5%で100万円を投資運用したとします。その場合、複利で15年運用すれば以下のような推移になります。
年数 | 元利合計 | 利息 |
1年目 | 1,050,000 | 50,000 |
2年目 | 1,102,500 | 102,500 |
3年目 | 1,157,625 | 157,625 |
4年目 | 1,215,506 | 215,506 |
5年目 | 1,276,282 | 276,282 |
6年目 | 1,340,096 | 340,096 |
7年目 | 1,407,100 | 407,100 |
8年目 | 1,477,455 | 477,455 |
9年目 | 1,551,328 | 551,328 |
10年目 | 1,628,895 | 628,895 |
11年目 | 1,710,339 | 710,339 |
12年目 | 1,795,856 | 795,856 |
13年目 | 1,885,649 | 885,649 |
14年目 | 1,979,932 | 979,932 |
15年目 | 2,078,928 | 1,078,928 |
上記のように、15年間で2,078,928と約2倍に増えています。ちなみに、普通預金の0.001%だと、15年間でわずか150円しか増えません。
2. 投資をする目的とスタンスを決めておく必要がある
このように、貯金するよりも投資運用する方が、はるかにお金を増やしやすいという点は分かったと思います。
とはいえ、いきなりハイリスク・ハイリターンの投資を狙うと、お金が増えるどころか大幅に減らしてしまうことも考えられます。
そこで重要になるのが、投資・運用の目標とスタンスです。
要は、何のためにいくらお金が必要か?を考えるということです。
その目標によっては、ローリスク・ローリターンの商品で良いかもしれませんし、ミドルリスク・ミドルリターンが最適かもしれません。
また、月々収入が欲しいのか、一括で収入が欲しいのかも明確にしておくと、投資商品を選びやすいです。
3. 貯金で出来るおすすめの投資運用とは?
次に、貯金を利用してできる、おすすめの投資運用である以下を解説していきます。
- 日本国債
- 投資信託
- 株投資
- 不動産投資
日本国債について
日本国債は、日銀が発行している債券であり、元本保証の商品です。
たとえば変動10年型の個人国債は、額面利回りが年0.05%(2018年7月時点)です。つまり、100万円分取得すれば、額面で年間500円の利息がつき、10年経過すれば元本は戻ってきます。
0.05%とはいえ、上述した銀行預金よりは大分マシです。
また、日本国が破綻しな限り国債は安全なので、銀行に預金しているよりは国債に変換した方が少しずつですがお金を増やすことができます。
投資信託について
投資信託は、投資家達からお金を募り、そのお金で色々な投資商品を購入します。
投資信託会社が、投資家の立場に立ってどの運用会社にお金を託すか?という点を判断するのです。
投資信託には、国債などの安全な資産を中心に投資していく方法と、多少リスクのある株などに投資していく方法など、投資商品によってリスクやリターンが異なります。
投資信託は、手数料がかかる点はデメリットですが、自分のお金をプロに託することができます。商品も自ら選べるので、初心者に向いている投資と言えるでしょう。
株投資について
株式投資は、株式会社が発行している株式を売買しておく投資方法です。
この「売買益を得る」という方法もありますが、企業が年に二回ほど株主に支給する配当によっても収益を得られます。
ただ、配当の回数は企業によって異なりますし、業績によっては配当ゼロの場合もあります。どの株を購入するかは企業分析なども必要なので、株式投資で利益を上げるハードルは低くないと言えるでしょう。
不動産投資について
不動産投資は主に賃貸物件から得る賃料収入があります。ローンを組んで物件を取得することが多いので、リスクが大きいと思われがちですが、実は比較的安定して収益を得ることができる投資です。
とはいえ、空室リスクがあるのは事実なので、株の銘柄選びと同じで物件選びがカギになります。
4. リスクとリターンで選ぶ投資方法
次に、リスクとリターンを考え、自分に最適な投資方法を考えていきましょう。ただ、これを考える上では上述した「投資のスタンス」を明確にしておく必要があります。
リスクを抑えて、ある程度のリターンがある投資は?
初心者の方は、特に「リスクを抑えたいものの、ローリターンは嫌だな」と思う人は多いです。そんな人におすすめなのが、以下の投資運用法になります。
- 投資信託(元本確保型)
- 日本国債
元本を確保した投資信託
上述した投資信託の中には、元本確保型という商品があります。元本確保型とは、投資家から集めたお金を、国債などの価格変動しにくいものを中心に運用する商品です。
ローリスクのためリターンもさほど大きくはありませんが、そこそこの利益が見込めます。
日本国債
また、上述した日本国債も投資信託ほどではありませんが、銀行預金にお金を預けているよりはマシでしょう。
ただ注意点は日本国債と外国債の違いです。外国債にも元本保証がある商品もありますが、為替変動リスクに注意しましょう。
たとえば、アメリカ債であればドルで購入するので、売却時に円高になっていれば為替差損が生じます。仮に、外国債に投資する場合は、その点を加味して商品を選びましょう。
リスクを少しとってでも、リターンが大きい商品は?
次に、多少のリスクはあるものの、前項よりリターンの大きい以下の商品を紹介します。
- 投資信託
- 不動産投資
- 株投資
投資信託
ここでいう投資信託とは、前項よりもリスクが高い商品です。たとえば、新興国の株や債券を組み入れることで、ミドルリスク・ミドルリターンの商品になります。
ほかにも、日経平均などの指標に連動するインデックス型と、価格変動が激しい株式などを組み込んでいるアクティブ型があります。
インデックス型は比較的リスクは押さえられますが、前項の元本確保型よりはリスクが大きいです。
不動産投資
不動産投資は、初期費用の金額がリスクと考えてよいでしょう。
たとえば、1Rマンションとアパート経営であれば、1Rマンションの方が初期費用は小さいです。そのため、ローン支払額や経費額も小さいので、仮に空室が続いても赤字額も小さいでしょう。
一方、アパート経営の場合は初期費用も経費も大きいので、空室時の赤字額も大きくなります。複数の部屋を持っているのでリスク分散はできますが、それでも初期費用の大きさはリスクとなるでしょう。
しかし、当然ながら初期費用を掛けた方が資産額が大きくなるので、収益も大きくなります。
株投資
株投資をして大きいリターンを得たい場合は、ボラティリティ(価格幅)の大きな銘柄で勝負することになります。
一般的に「大企業」は業績は比較的安定していて、外部要因にも左右されにくのでボラティリティは小さいといわれています。
一方、新興企業などは業績が上下しやすいので、ボラティリティが高く、多少リスクはありますが起きなリターンを得られる可能性もあります。
5. 貯金や投資は分散しておいた方が良い理由について
貯金や投資は以下のようにポートフォリオを組んで、分散しておいた方が良いです。
現金:30%
株式(リスク高):10%
株式(リスク低):20%
投資信託(リスク中):20%
投資信託(リスク高):15%
日本国債:15%
このように、リスクが違う商品で運用しておくことよってリスクが分散するので、「1日で資産が半分になった」などの現象が起こりにくいです。
仮に、リスクが小さい株式だとしても、その株式に70%の資金を投下してしまうのは危険と言えます。
なぜなら、その企業の業績が悪化して、株価が30%下がれば、総資産が21%(70%×30%)下がってしまうからです。
一方、その企業の株を全体の20%に押さえておけば、30%下がっても全体資産の6%(30%×20%)下落したに過ぎません。
6. 投資する金額はどうやって決めるのか?
さて、色々なパターンで投資を見てきましたが、投資する金額はどのように決めるのでしょうか?ここでは、貯金や年齢といった観点から見ていきます。
貯金から投資に回す割合はいくらが妥当?
貯金から投資に回す額に正解はありませんが、まずは自分の貯金残高から考えてみると良いでしょう。
たとえば、貯金が50万円の方と500万円の方では、投資に回せる額が根本的に違います。
貯金が少ない中で大分部を投資にまわしてしまうと損失があったときに生活に支障が出る可能性があります。
そのため、総じて言えるのは、「損失を受けたときにある程度耐えられるレベルに抑える」ということです。
投資する前にまずは貯金を行う
前項からも分かるように、そもそも貯金がない状態では投資にお金を回すことはできません。
そのため、無理に投資するのではなく、まずは貯金をして投資資金を用意することから始めましょう。
最低でも、3カ月生活費がキープできる100万円を貯金するところを目標にしてはいかがでしょうか。
投資に回す割合は年齢によっても変わってくる
投資にまわるお金は、年齢によっては以下のように変わっていきます。
20~30代:投資に回す割合を大きく
40代以上:投資に回す割合を小さくしていく
まず、若い世代のうちから投資しておけば、複利効果の期間が長いので資産を増やしやすい環境です。
そのため、貯金の50~75%程度は投資に回しても良いでしょう。もちろん、上述したようにリスクヘッジをしたポートフォリオを組むことは重要です。
一方、40代以降はマイホームを購入したり、子供が出来たりと生活環境は変わります。支出が多くなりがちで老後も見据えなければいけません。
そのため、少しずつ投資額は減少させていき、現金比率を大きくしてった方が良いと言えます。
このように、年齢によって変わる家族形態や支出額などを加味しながら、投資に回す割合は決めていきましょう。
7. 貯金の中から無理のない程度の投資をするのがおすすめ
このように、貯金をしているだけでは中々お金は貯まりません。
とはいうものの、いきなりハイリスク・ハイリターンの投資商品に資金投下するのは避けた方が良いです。
そこで、まずは投資の目標をスタンスを決めましょう。次に、貯金額と年齢から投資に回す金額を決め、リスクとリターンを考え上で投資商品のポートフォリオを組みます。
くれぐれも、無理のない範囲で少しずつ投資をはじめてみることをおすすめします。
今ならMIRAIMOを友達追加いただいた方にもれなく、
オリジナルのe-book「中古マンション購入チェックリスト」をプレゼント!