マンションやアパートの大家にとって、入居者のトラブルというのはできるだけ避けたいもの。
しかし実際に集合住宅で暮らす人にはいろんなタイプの人がいるので、どうしてもトラブルは起こってしまいます。
家賃対応・騒音トラブルなど、様々な問題が大家にふりかかってしまうと、大家の負担は大きくなってしまいます。
不動産投資をはじめようという方は、不動産の勉強を積まれてきた方が多いのですが、トラブル対応については不慣れな方が多いもの。
そこで今回は賃貸経営を行う上でよくあるトラブル例と、大家ができるトラブル対策の方法をご紹介します。
あらかじめトラブルを想定し、事前に対応して賃貸経営にかかる負担を軽減させましょう。
目次
1. 入居者のトラブルにはどんな事があるのか?
家賃の滞納
入居者の家賃滞納は、最も多いトラブルの一つ。
滞納のケースも様々で、家賃支払いが必ず毎月遅れる人や、3か月以上も滞納している人など。
いずれにせよ、家賃の滞納は大家にとってはダメージが大きく、ローン返済にも影響してくるため、看過することはできません。
しかし近年では家賃を滞納する人が多く、こうしたトラブルが後を絶ちません。
入居者同士の様々なトラブル
マンションやアパートなどの集合住宅では、入居者同士による様々なトラブルが発生します。よくあるトラブルは次の通りです。
- 騒音トラブル
- ゴミの出し方
- 共用部分を汚す
- ペット飼育に関するトラブル
マンションやアパートでは他人の部屋と壁一枚で接するので、かなり近い距離で知らない人同士が生活することになります。
そのためどうしても生活音をはじめとする音に関するトラブルは頻繁に発生してしまいます。音が気になって夜も眠れないとなると、大きな問題に発展することも。
また共用部分の使い方においても、決められたルールを守らないことでトラブルが起こることがあります。入居者にはしっかりとルールを遵守することを、事前に周知しておかなければなりませんね。
退去時のトラブル
入居者が退去する際は、退去時精算でトラブルになることがよくあります。たとえば室内の傷に関して、入居者と大家で見解が食い違うと、敷金精算でもめてしまいます。
退去時は原状回復することが契約書でも明記されていますが、原状回復を巡っては、国交省のガイドラインが公表されています。
そこでは通常の生活による汚れや傷は原状回復にあたらないとされているので、入居者の負担にはなりません。
この辺については、双方の意見が対立するポイントでもあり、一つ一つ確認しなければならないので慎重な作業となるでしょう。
原状回復については以下の記事から。
2. 家賃滞納への対策方法
家賃の滞納を防ぐには?
大家としては入居者の家賃滞納トラブルは絶対に避けたいところ。
そのためには、まず入居者審査において、しっかり支払い能力があるかどうかを見極めなければなりません。まずは勤務先が重要なポイントになります。
安定した企業にお勤めの人であれば問題ありませんが、転職を何度も繰り返して年収が低い人であれば、滞納リスクが高いと言えます。
また家賃滞納に備えて、連帯保証人の属性チェックも慎重に行いましょう。
連帯保証人も入居者同様に勤務先や年収を確認し、家賃を代わりに支払う財力があるかどうかを見極める必要があります。
連帯保証人は、県外などでなく同一県内に住んでいる親族が望ましいでしょう。また最近は家賃保証をしてくれる保証会社の利用もおすすめです。
こちらは滞納などの督促も全て行ってくれるので、大家の負担が軽減します。
家賃滞納者への対策は早めに行動する
家賃を滞納したら、すぐに対応することが大切です。入居者がうっかり忘れていたケースなら問題ありませんが、頻繁に滞納する入居者の場合、2か月、3か月とたまって払えなくなるといったことも。そうならないために、まず早急に連絡をとることが大切です。
不動産管理会社がトラブル対応してくれる場合は、不動産管理会社に未入金の旨を速やかに連絡しましょう。不動産管理会社は家賃滞納に関する督促はプロなので、すぐに対応してくれますよ。
3. 入居者トラブルによる対処方法
入居者間のマナーによるトラブルが多い
マンションやアパートなどの集合住宅における入居者間のトラブルは後を絶ちません。
家族構成や生活習慣など、全く異なる人々が同じ建物内で生活するので、ルールを守って暮らしていかないとトラブルが起こります。
迷惑行為による法的対策について
万が一、自分が所有する物件に入居している入居者が、他の入居者に迷惑行為を与えてトラブルを起こしてしまった場合、大家としては賃貸借契約の解除ができます。
入居者が他の居住者に迷惑行為をかけ注意しても止まらない場合、このような法的措置をとり対処する必要が出てきます。
また大家が不利益を受けた場合には、入居者に対し賃貸借契約解除債務不履行による損害賠償請求を求めることができます。
請求内容は、入居者による迷惑行為において発生した空き部屋の家賃などがあります。また迷惑行為の内容に応じて、それに生じた費用の全額を請求することもできるでしょう。
法的措置をとる前にできる対策とは?
法的措置をとるのは最終手段になります。法的措置は時間や費用がかかるため、大家としてもあまり望ましいことではないはずです。
できればそこまでトラブルを大きな問題へと発展させる前に、問題の解決に乗り出す必要があるでしょう。
そんな時、不動産管理会社に委託をしていれば、管理会社にトラブル解決の依頼を行うことで対応してくれます。
現地へ赴き、トラブルの原因と双方の意見を聞くなどして、速やかな対応をしてくれるのでとても助かります。
4. 入居者によるトラブルを管理会社に任せる方法
トラブルの対応を管理会社がしてくれる
先ほども述べた通り、マンションやアパートの管理について、不動産管理会社と業務委託契約を結んでおくと様々なトラブル対応を行ってくれるのでとても助かります。
たとえば家賃滞納が起こると、すぐに入居者や保証人への対応を行ってくれます。また管理会社によっては、先に家賃を立て替えて大家に払ってくれるところも。
また入居者間トラブルも、大家の代わりに現地へ向かって問題解決に乗り出してくれます。管理会社は専門家なので、大家よりも問題解決の術を知っているので、安心して任せられるでしょう。
管理会社がしているサポートとは?
マンションやアパートの不動産管理会社は、先ほど挙げたような入居者トラブルに限らず、不動産管理全般について大家をサポートしてくれます。
たとえば管理委託契約の内容にもよりますが、建物の清掃・運営管理・維持など、現地に赴いて業務を行ってくれます。
また入居時や退去時に必要な事務手続き業務などを行ってくれるところもあります。
もちろん業務範囲は契約によって異なりますが、多くの不動産管理会社では幅広い業務内容を提供してくれています。もし不動産管理会社と業務委託契約を締結する場合は、業務内容や管理料について、しっかり確認しておきましょう。
管理会社を上手く活用しよう!
このように不動産管理会社は、賃貸物件の管理をトータルサポートしてくれるので、大家の負担が激減します。
また不動産の専門家なので、特に初心者大家からするととても頼りがいのある存在となるでしょう。
また様々なトラブルが発生した時に、直接大家が出向いていくよりも、第三者である管理会社が間に入る方が、スムーズに問題が解決することがあります。
入居者と大家では利害関係があるため、もしも直接トラブルとなってしまうと、何かと気まずい思いをしてしまいます。それを考えると、管理会社に依頼する方が安心ですよね。
また何か困った時の相談にものってくれるので、一人で悩まなくても済みます。初めての賃貸経営では失敗することも多いため、いろいろと話を聞いてもらえるというのはいいですね。
5. 入居者トラブルには様々な内容があります。管理会社を利用する等して上手く解決する方法を探しましょう!
このように賃貸経営を行う上で、入居者トラブルは避けては通れません。
何か問題が生じた際には、基本的に大家の責任問題になることも。
こうしたトラブル対応を全て大家が行っていると、時間もかかりますし、精神的にも負担が大きいので、管理会社に依頼することをおすすめします。
管理会社に依頼すると家賃の数パーセントの管理料が必要にはなってきますが、費用対効果を考えると決して高いものではありません。
特に初心者大家、サラリーマン大家の皆さんには、ぜひ管理会社利用をおすすめします。
管理会社選びについては以下の記事を参考にしてみてください。