不動産投資ではマンションを売買したり、貸し出した時の家賃収入で利益を得るのが一般的だと思います。
ですが、中国では不動産市場が低迷している中で、墓地の開発投資で利益を出している人が多くいるのです。
彼らはどのように売買をし利益を出しているのでしょうか。
「墓地への投資」というものを初めて聞く人は多いと思います。
なので今回は海外でどのように墓地投資を行っているのかを解説し、日本でも可能なのか、どのように利益を出していくのかについてお話していきたいと思います。
不動産投資の中でも墓地投資はかなり魅力があり、利益を大きく取ることができます。
これから話題になってくるものになるので、トレンドに乗り遅れないようにしていきましょう。
目次
1. 海外での墓地投資の現状|中国
中国ではここ最近、不動産バブルが起きています。
それが原因で不動産価格の高騰が起こり、家を購入する人、借りる人達に大きく影響が出ていることはもちろんのこと、墓地の購入にも大きく影響を与えているのです。
深刻な墓不足|人口増加と高齢化
中国では急激な人口増加による問題により今、墓地不足という問題がいたるところで発生しています。
中国で年間約800万人の方が亡くなっており、墓地の供給のスピードが追い付いていないのです。
特に首都の北京では高層ビルタイプの墓地を建設しようかという議論も出てきており、このことからも墓地が深刻に不足していることがわかります。
墓地の価格は高騰
需要と供給の関係性として、需要が多ければ価格は上がります。
特に高齢化が進んでいる中国の首都、上海では墓地の価格が1平米あたり5万元~8万元(約95万~150万)と住居の平均単価よりも高いという状況になっているのです。
価格の推移に関して言えば、1平米あたり1万元で購入したものが6万元までになり、約80%もの値上がりがあることも当たり前にあるのです。
現在|墓地の管理は法人のみ
では、墓地投資は個人でも運用ができるのでしょうか。
結論を言えば、現在は法人のみ運用できます。
10年前までは個人で運用が可能でした。
しかし中国は現在社会主義国家であるため、不動産の私有権が認められておりません。
なので国の規制があり、ほとんど行われていないのが現状なのです。
今は規模の大きい葬儀屋や上場している企業などといった法人や国が管理、運用をしています。
2. 日本での墓地投資は可能?
では、日本では墓地投資は可能なのでしょうか。
現状|個人では所有できない
日本では、墓地投資の個人運用はできないのが現状です。
では、なぜできないのかを詳しくお話ししていきます。
【昭和23年】墓地、埋葬等に関する法律
日本では、墓地や葬儀に関わるものには法律が課せられています。
墓地や霊園といったものは、私たちにとって切り離すことができない関係にあります。
基本的に法律は信教の自由を保障しているものなので埋葬行為等を規制することはできません。
ですが、公衆衛生等の問題により、墓地や霊園等の管理や埋葬については一定の規律を定めておく必要があるのです。
その法律は、厚生労働省にの公式サイトに記載されています。
参照:墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)
墓地等の経営許可|みなし墓地
墓地・霊園等を経営するためには、墓地埋葬法の10条1項により、都道府県知事の許可が必要になります。
ですが、一定の条件を満たす場合には、都道府県知事の許可がなくても許可があったものとみなされ、墓地の経営ができるとされています。
そのような墓地のことを「みなし墓地」といいます。
ですが、みなし墓地であるからと言って何も手続きをしなくてもいいというわけではありません。
みなし墓地台帳への登録が必要になるなど、その各市町村の条例がある場合にはみなし墓地の扱いとして定められた規定に従う必要があるのです。
新設や拡張|地方公共団体・公益法人・宗教法人
地方公共団体や公益法人、宗教法人であれば、墓地の新設や拡張が可能となります。
そして前述のとおり、みなし墓地の経営に関しては、都道府県知事の許可は必要ありません。
しかし、新たに拡張したり変更したりする場合は別です。
墓地埋葬法の10条2項に記載している通り、都道府県知事の変更許可が必要になります。
【平成12年】墓地経営・管理の指針等について
今後、法人で墓地の経営や管理を考えている人は、墓地経営・管理の指針等に関する国の方針がありますので目を通しておく必要があります。
こちらに、厚生労働省が発行していますので記載しておきます。
3. 日本で墓地投資をするには?
上記の様に日本では個人での墓地の経営、管理はできません。
ですが、今後墓地投資を考えている法人の為に、墓地投資に関してのメリットやデメリット、どうしたら経営が可能なのかをお教えしたいと思います。
メリット|長期的な収益が可能
墓地投資のメリットは安定的な利益を長期的に実現できることです。
墓地は一度利用されれば、そこから他の場所に移動することはめったにありません。
なので、長期的に高収入を得ることが可能なのです。
墓地の立地として人気の場所は、高台で風通しの良い場所です。
墓地であれば相性がいい高台ですが、マンション経営やアパート経営には不向きな場所のため、投資における競争相手が少ないことはメリットになります。
デメリット|転用はほぼ不可能
墓地投資の最大のデメリットは転用がほぼ不可能なことです。
墓地というのは、ネガティブでマイナスな印象を持たれがちです。
なので仮に撤去したとしても、「過去にこの場所は墓地として利用された」という記録が残るのです。
どんなに好物件できれいなマンションでも、前は墓地だったよと聞くと住む気が失せてしまいます。
一度墓地にしてしまった場合は、今後他の土地活用をすることは難しくなると言えます。
4. 皆無ではない|日本で墓地投資する方法2つ
日本で墓地投資をする方法を紹介します。
①墓地のオーナーになる
これは、墓地を運用するまでの費用や各手続を自分自身で行う方法です。
土地も自分のものですし、墓地のオーナーとして運営していくことになります。
しかし、オーナーになることはかなりハードルが高いので、以下の工程をこなしていく必要があります。
- 数千万円から億単位の自己資金を用意する
- 公益法人または宗教法人をつくる
- 近隣に住む人達の合意を得る
- 行政が課す基準に適合する
このように、初めて運用を考えている人にとって、墓地投資を一人で行うことはハードルが高すぎます。
ですので、もし実行する場合には専門のサポート業者の力を借りることをおすすめします。
②霊園事業者に貸す
もう一つの方法は、霊園事業者に土地を貸す方法です。
これが一個人が運用したいと考えたときに、最も現実的なものでしょう。
借地として自分の土地を事業者に貸すだけなので、何もしなくても墓地を保有することができます。
ただし、借地を行う際の注意点があります。
借地契約は契約満了により解除することが可能ですが、霊園の場合は二度と解除することができません。
なので、一度霊園事業者に土地を貸してしまった場合、永久に墓地として運用されるということなのです。
考え方を変えれば、永久に墓地として運用されるということは、借地料がずっと貰えるということになります。
5. 日本での墓ビジネス|今後の展開はどうなる?
日本でも近年、墓地不足は多発する可能性があります。
その中で、日本での墓ビジネスは今後どうなっていくのでしょうか。
上記の通り、日本の墓地は一般的な土地とは異なり法律によって個人が墓地を所有することはできません。
なので、転貸や売買を行うことができないのです。
墓地を使用するためには、中国と同じように永代使用権を取得する必要があります。
墓地として開発する土地も日本では墓埋法と呼ばれる法律があり、県や市町村などの行政に許可を得なければ、墓を建てることはできません。
そのため、土地の転貸も難しいでしょう。
つまり、今後の日本での墓地投資は実質的に難しいのが現状です。
6. 今後、墓地投資を考えている人へ
墓地投資の収益はかなり魅力的なものです。
現代は、少子高齢化がかなり深刻な問題となっていますので、近い将来は中国と同じように「墓地不足」が起こる可能性があります。
しかし日本での墓地投資は、法律の規制が厳しく、墓地を所有することは現実的に不可能に近いです。
墓地を作る為の許可を受けるときのハードルが高いことから、残念ながら法律が変わらない限りビジネスとして成功することは難しいと思います。
なので、いつ法律が変わってもいいように、ある程度の知識は蓄えておき、稼ぐための準備をしておきましょう。
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