祖父や父親などが農地を所有していて譲り受けたが利用しなくなってしまったという人の中には、
「農地の有効活用方法はいまいち理解できない…」という人が多数いると思います。
農業をやらないからといって農地をそのまま放置しておくのもかなり勿体無い事で、実は農地の地目を変更することによりある程度の利益を得ることができる可能性があるのです。
今回は農地がどのように有効活用できるかを書いていきたいと思います。
1. 農地とは何か?|意味と種類
農地と聞いてなんとなく思い浮かべられるのが畑や田んぼだと思います。
追求する機会がないため詳しくは分からないと思いますので農地の種類を紹介していきたいと思います。
農地=使用目的が耕作の土地
耕作などに利用されている土地を農地と呼びます。日本は昔と比べると輸入に頼るようになったことや、若者が都会に上京してしまっていることで農家の人数がかなり減っています。
昔は農家はとても多くいましたが、人数が極端に減ったことにより土地だけが余ってしまっている状況があります。
登記簿上の扱い
登記簿上の地目が「田」「畑」と記録されているものが基本的に農地とされています。
家庭菜園は農地ではない
将来的に耕作を続ける目的がある場合農地として認められるので、一時的に農作をしたり、庭やベランダで家庭菜園などを行う場合などは農地としては認められません。あくまでも長期にわたって続けることが必要です。
農地には5種類ある
①農用地区域内農地
農用地区域とは作物を作る上での環境が整っていて、農地としてとても適している地域です。
例えば新潟県の魚沼市はお米に適している土地なので美味しいコシヒカリができあがります。
②甲種農地
甲種農地とは20ha以上で農業機械を利用できる農地です。
よく地方などに出かけると農業専用の機械を運転している人を見かけることがあるのではないでしょうか?
そこは20ha以上の面積を持つかなり大きい農地ということになります。
※1ha=10,000㎡。ちなみに東京ドーム1個分が約4.7haです。
③第1種農地
第1種農地とは10ha以上の農地で、農業公共投資などによりかなりお金をかけて整備された農地です。
④第2種農地
第2種農地とは鉄道駅から500m圏内にあるなど将来的に市街地として発展する可能性のある農地や、生産性の低い小規模の農地のことです。
市街地化が見込まれているので広大な農地を作ることはできないため、生産性が低いと言われています。
⑤第3種農地
第3種農地とは鉄道駅が300m圏内にあり、すでに市街地であるかもしくは市街地化が激しい農地です。
2. 農地売買の規定|宅地転用はできる?
農地としての売却
日本は自給自足率や農家の割合がかなり低いため農地を勝手に売却することはできません。
日本の農業の力を低下させないため、「農地法」※という法律で守られています。
ですが家系の理由によっては農地を売却しなければいけない時があるかもしれません。絶対に売却できないということではないので、売却方法をご説明します。
※農地法…農地や放牧地の取り扱いについて定めた法律。1952年制定。
地目変更しての売却
農地を売却する際には農業委員会の許可を貰わなければいけません。
無許可で売却してしまった場合所有権が適用されなかったり、家などを建ててしまった場合は元に戻すように言われてしまいます。
農地を他の目的に利用する場合、必ずすぐに農業委員会に許可を貰いにいかなければいけません。
立地基準による転用|第2種・第3種
第2種と第3種の場合は原則地目を変更することで売却することができます。
転用の例外|農用地区域内農地・第1種農地
農用地区域内農地と第1種農地の場合は原則転用することは不可能です。
農用地区域内農地の場合は税金をかけて整備した農地ですので地目を変更することはかなり難しいです。
ですが農振除外とういう手続きがあり、この手続きを通す事ができたら地目を変更する事ができます。
第1種の場合は農用地区域内農地同様面積が大きく生産性がかなりありますので簡単には地目を変更する事ができません。ですが住宅街の中心にあったり農地のエリアから少し離れていると転用できる可能性があります。
一般基準|転用後に有用かどうか
- 十分な資金や信用があるか
- 土砂災害など自然災害による危険性がない事
- 農業のために作ったものが地目を変更後影響がないかどうか
- 転用したい面積と地目変更後の面積量が適切であるか
- 届け出などの書類が遅れる事なくしっかりときているかどうか
などの基準が存在します。他にも細かい規則などが存在します。
許可は農地委員会を通じて法務局へ
地目の変更は農地委員会に提出しますが、最終的には法務局の許可が必要になります。農業委員会は許可を出すことしかできませんが、法務局はそれに加えて権限を変更できる力を持っています。
農地委員会で許可が通っても法務局では地目を変更できない可能性もあります。
3. 農地で不動産投資を行う場合の注意点4つ
①駐車場|固定資産税
農地を駐車場に変更した場合設備投資などがほとんどいらないためかなり低価格で抑える事ができますが、農地と比べて固定資産税の金額が驚くほど高額な金額になってしまいます。
農地や農家は数が少ない国ため、保護しなければいけませんが、駐車場などは日本に数えきれないほどあるので固定資産税が高くなってしまうのです。
②ソーラーパネル事業|補助費用
ソーラーパネルの場合は地域によってかなり違いますが、補助金を出してくれる地域も存在します。
補助を行なってくれる地域はソーラーパネル事業に積極的なので、手続きから運用までスムーズに行う事ができます。
農地を不動産投資として有効活用するには、国が補助制度を設けている事業を選ぶことで、運用資金の補助からその手続きに至るまで、さまざまなサポートを受けることができるのです。
③アパート経営|サブリース物件
農地を宅地に変更する事でアパート経営などの不動産投資を行う事ができます。
最近ですと集合住宅が急増したことで、入居者が少なくても一定の収入を得る事ができるサブリーズ物件というものが存在します。
不動産投資を始めるのにサブリース物件はとてもいい投資商品ではありますが、リフォームなどの修繕費で利益を得る事ができない可能性があります。
そうなっては赤字なので、アパート経営を行う場合はリスク計算なども頭に入れておきましょう。
④元農地|地盤沈下の可能性
日本では地震が多く耐震補強などの対策をしなければいけません。耐震補強は家の作りだけでなく地盤もしっかりと把握しておく必要があります。
特に水っ気の多い地域では地盤が緩かったり埋立地では液状化現象になってしまう可能性があります。
農地ではどうでしょうか?一般に元田んぼや元畑などはあまり家を建てるのに適していない土地と言われています。
特に水はけの悪い土地や水が集まりやすい地域は要注意です。農地としては適していても、水が多く地盤が弱いことは耐震面におけるさまざまな問題を引き起こす原因となります。
ですので事前に地盤の状態を調べておきましょう。
市街化調整区域
市街化調整区域とは、市街化を防ぐために指定されている区域のことで、この区域にある土地は売却したくても売却できません
場所によっては売却したくても売却できない土地も存在します。もし市街化調整区域がなくなってしまった場合日本国内が建物だけになってしまう可能性があります。建物だけでは自然の量が足りずバランスが悪くなってしまいます。こうした問題を防ぐために市街化調整区域が存在します。
東京は大都会というイメージが存在しますが、奥多摩などに行くと大自然の街となっています。市街化調整区域に指定し開発を防ぐことで、都会と自然のバランスが保たれています。
4. まずは立地基準を確認!区分によっては転用が利益を生むことも
もし農地を利用していないのであればまずは立地基準を確認し、どのように有効活用できるかを調べてみましょう。そのためには主要都市からの交通アクセスや生活インフラの整備状況、その地域の人口などを把握する必要があります。
立地基準を満たせば、自由な不動産投資で利益を生むことが可能になります。
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