テレビで見る株式関係のニュースで「機関投資家」という用語が使われることがあります。
いかにも専門的な投資家をさすようなコトバですが、機関投資家とはどういう意味なのかご存知ですか?
投資に興味がある人であれば、この機関投資家について知ることは自身の投資運用を有利にすることにつながります。
今回は、そんな機関投資家について、その特徴や投資方法を解説します。また、一般の個人投資家との違いもご紹介しましょう。
実は、個人投資家が機関投資家の投資方法を把握しておくことに意味があります。
機関投資家の株式の買い方や売り方を基準に取引することで個人投資家もメリットを受けることができるのです。
目次
1. 機関投資家って何?
機関投資家とは個人投資家以外で投資をしている団体であり、銀行や証券会社のように会社として株式や債券を運用する大口投資家を意味する用語です。
たとえば、投資信託のようにお客さんから運用を委託されて投資している会社が機関投資家になります。
一般的に規模が大きく長期的に投資する法人投資家のことを機関投資家というのです。
具体的には、投資信託のようにお客さんから集めた資金で投資をして運用することにより得た利益を分配します。いわゆる「投資ファンド」をおこなう会社です。
2. 個人投資家と機関投資家の違いについて
個人投資家と機関投資家の最も大きな違いは資金力でしょう。
個人投資家が投資できるのは、あくまで投資家自身のポケットマネーです。
ところが、機関投資家は多くのお客さんからお金を集めることができるので大きな資金力を持ちます。
運用に対するプレッシャーも異なります。個人投資家にノルマのようなものはありません。万が一運用に失敗して損をしても自分が我慢すればすみます。
しかし、機関投資家にはお客さんからのノルマがあるので達成しなければならないプレッシャーがあるのです。
機関投資家は投資のプロなので、個人投資家に比べると投資に必要な多くの情報管理ができるのです。機関投資家は投資が本業なので当然のことですね。
3. 機関投資家について|特徴を考察
機関投資家は、どのような運用をしているのでしょうか?プロの運用方法は、個人投資家にも参考になるはずです。
秘匿性の高い資金を運用しているので実態が見えない
機関投資家の特徴を知るためには、機関投資家の実態を知ることがポイントでしょう。
機関投資家とは投資することでお金を増やすことを業務にしている人たちのことです。しかし、投資商品によっては実態が分かりにくい場合があります。
一般に公募している投資信託であれば、情報が公開されているため分かりやすいのです。
しかし、私的基金や公的年金といった特定機関投資家が運用するものだと秘匿性の高い資金を運用しているので情報が公開されません。
長期投資している場合が多い
機関投資家は、長期投資する場合が少なくありません。それは将来性のある優良企業の株を長期的に運用することでリスクの少ない安定した運用ができるからです。
長期投資をベースに上昇し始めると買い足したり、下降し始めると売りに出したりするのです。
経済産業省も機関投資家に対して長期的な投資を促す提言をしています。日本では、機関投資家でも株式の保有期間が1年未満の場合が多いのです。
投資先の会社と向き合うためには、少なくとも3年から5年の運用期間は必要としています。
投資する企業を徹底的に調べた上で、本気で投資企業の将来の業績を予想している
運用する資産の多い機関投資家は、投資する企業を徹底的に調査します。投資先の業績の動向を確認することが機関投資家の仕事といえます。
実際に投資先の会社とのミーティングなどで業績を予測し、本気で投資する会社の価値を予想するのです。
機関投資家の仕事は、個人投資家であるお客さんに利益をあげさせることです。万が一にも運用に失敗すれば、信頼を取り戻すことは難しいでしょう。大きな資産を運用するということは大きな責任を負うことにもなるのです。
顧客の資産を預かる時に多くの制約や重いルールを負っている
機関投資家は、他人から預かったお金を運用しているので、さまざまな制約やルールが課せられています。
たとえば、運用戦略が投資先を高成長銘柄としていれば、株価の上昇が見込まれたとしても低成長銘柄に投資することはできません。
株価の上昇が見込まれる会社の中には、内部で不正が行なわれているようなケースも少なくありません。
投資先としてリサーチしたときに不正らしきものを見つけたとすれば、解決されるまで投資することはできません。倫理的な制約やルールも存在するのです。
4. 機関投資家には主にどんなところがあるのか?
機関投資家には、国内外を問わずさまざまな企業や団体があります。具体的にご紹介しましょう。
資金を集めて運用している企業や団体
機関投資家とは、多くの個人投資家からお金を集めて投資活動をする企業や団体です。
具体的には、「投資信託会社」「投資顧問会社」「生命保険会社」「損害保険会社」「年金基金」などになります。
投資信託会社は個人投資家から集めたお金を運用し、投資顧問会社は投資について助言するのが主な仕事です。
生命保険会社や損害保険会社では、加入者の保険料を資金として運用します。年金基金も加入者の保険料を運用します。
日本に大きな影響を与えているのが海外投資家
海外投資家が日本の投資市場に与える影響は非常に大きいです。なぜなら、取引の6割以上を占めるといわれているからです。
特に、海外の機関投資家は運用する額が大きいので、日本の投資市場にとって絶大な影響力を持ちます。
富裕層から集めた資金でハイリスク・ハイリターンの運用をするヘッジファンドや各国の政府が運用している政府系ファンド、
その他にも海外資本の投資信託会社や海外の年金基金がおこなう取引も日本の市場に大きな影響を与えます。
海外の機関投資家がおこなうコンピュータを活用した高性能な取引
海外の機関投資家がおこなう取引には、コンピュータを活用して運用するものがあります。
24時間自動で売買をくり返したり、高速で売買をくり返したりするプログラムが設定されているのです。
「コモディ・トレーディング・アドバイザー」や「ハイ・フリークエンシー・トレーディング」と呼ばれ、個人投資家のチャンスを奪いかねないシステムといえます。
5. 機関投資家の投資法について
機関投資家の投資の仕方は、お客さんの満足する運用をすることです。したがって、既に人気のある銘柄を購入するという顧客目線の取引になる傾向があります。
なぜなら1カ月単位で運用報告書を作成しなければならないので、その都度お客さまにチェックされるからです。
人気銘柄を機関投資家が大金を投じて購入するので、株価はさらに上昇します。しかし、実体が伴わない上昇は長くは続きません。
結局買値より値下がりする前に売りに出しリスクを回避するような取引がおこなわれます。
6. 個人投資家が機関投資家に勝つための方法について
個人投資家が機関投資家に勝つための一番のポイントは、機関投資家の投資法を知ることでしょう。
機関投資家は価格が上昇したときに買い、価格が下降したときに売ります。その逆の取引をするのです。
たとえば、機関投資家が売りに出すと大きなお金が動くため株価が急落します。その銘柄を急落した価格で購入しておいて、その後価格が適正になったときに売れば利益を得ることができますね。
7. 機関投資家の投資法を把握し、逆手にとった投資を取り入れてみよう!
機関投資家の投資方法を把握しておけば、個人投資家がメリットを受けることができるでしょう。
たとえば、機関投資家の売りは企業の不祥事等の場合もあります。つまり、倫理的な観点から売りに出すようなケースです。
経営実態が、それほど伴わない不祥事であれば、いずれ株価は回復するでしょう。
機関投資家が売りに出した安値のときが、個人投資家にとっては買い時になるのです。期間投資家の取引を逆手に取るという考え方ですね。
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