地方の駅から離れているようなマンションでは、高齢化が進み入居者がほとんどいないので管理組合も機能せず、建物は老朽化が進み、スラム化していくマンションが増えています。
中には、天井が崩落したまま放置されたり、エレベーターが動かないマンションも。
そうなってしまうとせっかく購入したマンションの資産価値はなくなり、売れないので手放すにも手放せず、負の遺産になるケースもあります。
現在は需要が多く、人気の高いタワーマンションも同様。
様々な理由でタワーマンションも将来スラム化するのではないかといったことが懸念され始めています。
もし実際にタワーマンションがスラム化すれば、資産価値は大きく下がり、周辺地域への影響も甚大なものになるでしょう。
売り時を間違えると、タワーマンションと言えども売却すらできなくなってしまうかもしれません。
今回は、タワーマンションのスラム化についてどう備えればいいかについてお話しします。
目次
1. マンションのスラム化とは?
スラムは、本来都市部において極貧層が密集して住んでいるエリアを言います。
強盗や麻薬などの犯罪率が高く、自殺が多いなどの特徴があり、生活環境の悪さ、施設の荒廃が進むなど劣悪な街の状態を指す言葉としても使われます。
マンションでいうスラム化とは、居住者が減少し、建物の老朽が進んでも修繕が行われないなど、マンションにおいて管理機能が働かなくなり、荒れ放題になる状態のことを言い、日本では特に郊外のマンションでスラム化が進んでいると言われています。
居住者が減る原因としては、高齢化により居住者が死亡したり、介護施設に入所して戻らないといったケースが多く、郊外のマンションの場合は相続しても使用せず放置しているケースも。
又、居住者が減ることで管理費・修繕積立金が滞納され、日々の修繕はもちろん大規模修繕も行われず、建物の老朽化は進み、住むことが難しくなるので退去するという悪循環に陥ります。
所有者は資産価値が下がり売ることもできず、スラム化が進むのを黙って見ているしかありません。
2. タワーマンションに住み続ける不安要素とは?
需要も高くセレブの象徴とも言えるタワーマンションは、常駐のコンシェルジュ、プールやゲストルームなど共用施設も豪華でスラム化することは考えられないと思うかもしれません
しかし、タワーマンションには将来大丈夫?と不安視される点も多く、スラム化する可能性を否定することはできません。
タワーマンションに住み続ける不安要素とは?
手狭になる可能性がある
タワーマンションは、駅と直結している、商業施設が隣接しているなど利便性の高さが特徴のひとつですが、好立地のため㎡単価が高く、サラリーマンが買おうとすると同じ価格のマンションよりも狭い部屋になってしまいます。
例えば、4人家族の場合、3LDK70㎡~90㎡くらいの部屋が必要になりますが、同じ価格だとタワーマンションの場合は2LDK50㎡~60㎡程度。
新婚当初は問題ないかもしれませんが、家族が増えると子ども部屋が必要になるなど、手狭になる可能性が非常に高いと言えます。
共益費が異常に高い
タワーマンションの共益費は、プールやゲストルーム、機械式駐車場といった共用施設が多いので管理も人手がいりますし、エレベーターも高層階用ということでメンテナンス費用が割高になります。
常駐のコンシェルジュが入る場合は人件費も必要。
本来規模が大きければ共益費の負担は少ないと言われていますが、タワーマンションではこれらのサービスを維持していくには高額な費用がかかるのでどうしても共益費は高くなります。
予想以上に費用がかかることもあり、共益費が値上げされるケースも。
修繕積立金は年がたつにつれて値上がりしていく
タワーマンションでは分譲時に修繕積立金の額を決めますが、分譲当時は購入してもらいやすいように安く設定しているケースがほとんど。
修繕積立金は、大規模修繕工事などの計画的に行われる工事のために積み立てるお金。
新築から10年~15年経って実際に大規模修繕工事を行いますが、分譲当時に安く設定していると必要な金額が集まっていないことが多いので、修繕積立金の値上げや臨時徴収されることになります。
場合によっては、築年数が経過すると段階的に修繕積立金が上がるシステムを採用しているケースも。
大規模修繕ができるかどうかの問題がある
タワーマンションの大規模修繕は前例が少なく、実際にどの程度の費用がかかるか手探り状態。
本当に大規模修繕ができるのかとも言われています。
又、タワーマンションの場合は海外投資家も多いので、景気が悪くなると管理費や修繕積立金を滞納する可能性も否定できません。
仮に、新築10~15年後に一度目の大規模修繕工事が行われたとしても、二度目以降は行われるかどうか不安も。
修繕されないとタワーマンションのスラム化が進んでしまう可能性がある
タワーマンションの場合は、大規模修繕工事にどのくらいお金が必要かも手探り状態のため、工事に多大な費用がかかる可能性があります。
居住者にはサラリーマン家庭も多く、修繕積立金が上がり続ければ滞納者が増え、大規模修繕が行われないことも予想されます。
タワーマンションと言えども大規模修繕工事が行われなければ、資産価値が下がるので居住者は減り、
管理費や修繕費も集まらなくなればスラム化が進んでしまう可能性も。
少子高齢化が更に拍車をかける
現在不動産業界で一番の話題と言ってもいいのが少子高齢化による人口の減少。
少子高齢化がタワーマンションのスラム化に更に拍車をかけるのではとの懸念も。
現在でもバブル期に建設されたニュータウンと呼ばれるマンション群は、少子高齢化が進み、自主管理のマンションは管理運営が厳しいと言われています。
タワーマンションにおいても、管理状況が悪くなると大規模修繕が行われず、資産価値が下がればスラム化することに。
景気や経済情勢も関係してくる
タワーマンションなど不動産の価格は、景気や経済情勢の影響を大きく受けます。
例えば、2008年のリーマンショックでは、金融危機によって世界経済は大ダメージを受け、日本の景気は大きく後退しました。
その際には不動産価格は軒並み下がり、物件によっては半額まで下がったケースも。
タワーマンションと言えども、リーマンショック級の金融危機が起これば同様に価格は下がりスラム化する要因に。
3. タワーマンションの売り時を考える必要がある
タワーマンションに住み続けるには不安要素も多いです。
現在は東京オリンピックの影響などもあり、不動産価格は右肩上がりで、中古のタワーマンションは相続税対策に効果もあり、非常に高値で取引されています。
それなら価格が高い今、売却するのもひとつの選択肢。
タワーマンションの売り時は、そのエリアの将来性や住民の動向に加えて、景気や経済情勢なども考慮しながら考える必要があります。
4. 住んでいるタワーマンションの資産価値を調べておこう!
自分の住んでいるタワーマンションをどのタイミングで売却するかを判断するのは非常に難しいですよね。
しかし、資産価値が分かっていれば何時でも売却が出来ます。
資産価値を調べる方法としては、不動産会社に直接査定を依頼することで正確な売却価格がわかりますが、最近ではインターネットの一括査定サイトで簡単に調べることも可能です。
売却に備えて、住んでいるタワーマンションの資産価値を調べておきましょう。
5. タワーマンションスラム化について考えておく必要がある!
人気のタワーマンションですが、将来「入居者が減る」「大規模修繕が出来ない」など不安要素も多くあります。
又、リーマンショックのような金融危機が起これば、景気や経済情勢は悪化し、タワーマンションの資産価値は大きく下がりスラム化する可能性も否定できません。
スラム化してしまうと売却したくても売却出来ないことも。
そうなる前に、「物件価格が高い今売却してしまう」「何時でも売却するできるように資産価値を調べておく」など、住んでいるタワーマンションのスラム化を想定して考えておく必要がありますね。
タワーマンションの投資については以下の記事をご覧ください。
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