みなさんは「アパート」と「マンション」の違いをはっきり説明することはできますか?
おそらく多くの人は建物の造りなどから、何となく雰囲気で区別してきたのではないでしょうか。実は、両者の違いを明確に定義するものはありません。
つまりアパートに「〇〇マンション」と名付けたり、逆にマンションに「〇〇アパート」と名付けても、何の問題もないことになります。
しかしその辺は大家さんがしっかりと認識されており、こうした逆の呼称が付けられた建物は、あまり見かけることはないのではないでしょうか。
大家の皆さんの中で、何か暗黙の了解のようなものが存在しているのかもしれませんね。
今回はこの「アパート」と「マンション」の違いについて、迫ってみたいと思います。
実際には定義がないため曖昧な解釈にはなりますが、ここで少し頭を整理してみましょう。
目次
1. アパート・マンション・コーポー・ハイツの違いは何か?
アパートの定義とは?
アパートは和製英語で「Apartment」の略。木造や軽量鉄骨でできた低層階の集合住宅のこと。
だいたい2階~3階建てのものが多く、世帯数が少なく規模が小さいものが多いです。また低層ということで、エレベーターはありません。
英語でいうアパートメントは、日本のこうした形態を指さず、主に日本で言うマンションのような意味合いの定義があります。
日本でアパートというと、少しチープな印象がありませんか?
しかし最近は高級感のあるアパートも増えていて、少しずつイメージも変わりつつあります。
マンションの定義とは?
マンションは英語の「Mansion」から来ていますが、こちらも和製英語。日本語では集合住宅を指しますが、英語では戸建てで、さらに大邸宅という定義です。日本語で使われるマンションは、鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリートのもので、3階以上のもの。
アパートの低層に対して高層のものが目立ちますね。
高層マンションには必ずエレベーターが付いていますが、中層のマンションではエレベーターがないところも。
厳密にはエレベーターの設置は、建築基準法で高さ31メートルを超える建物に設置しなければならないことになっています。
つまり階数ではなく建物の高さによって異なり、また天井の高さによっても変わります。だいたい7階建以上になると、31メートルを超えるのでエレベーターは必要です。
コーポの定義とは?
コーポも和製英語で、英語の「Corporate house」の略。主に中層の集合住宅のことを指しています。
英語では「社宅」という定義ですが、日本のコーポはアパートに似ていて、木造や軽量鉄骨造の集合住宅。
しかしアパートより少し高級感がある建物として見られています。アパートとコーポの厳密な区分はなく、曖昧に区別されているところです。
ハイツの定義とは?
ハイツは英語の「heights」に由来する和製英語。英語の「heights」は高台に建つ建物という定義があります。
日本語のハイツも、高台に建つ集合住宅として使われています。とはいえ、実際には高台でなく平地の建物にも使われているところもたくさん。
聞こえがお洒落なので、幅広く利用されているのが実情です。
2. アパートとマンションの性能の違いを比較
アパートとマンションは、明確な定義はありませんでしたが、多くのアパートや木造や軽量鉄骨、そしてマンションは鉄筋鉄骨コンクリートでできていますよね。
今回はこの建物構造に注目して、性能の違いを比較してみます。
①耐久性
マンションは鉄筋鉄骨コンクリート造で頑丈なので、年数が経っても耐久性に優れています。特に火災などの耐火性にも優れているのがメリット。
一方、アパートは木造なら耐久性や耐火性が低くなってしまいます。
地震に対しては、耐震工事が十分でないと建物の倒壊リスクも上昇。
また軽量鉄骨造のアパートであれば、木造よりも耐久性は上がりますが、鉄筋鉄骨コンクリートのマンションほど強くはありません。
②防音性
防音性はアパートよりマンションの方が頑丈にできているので、優れています。アパートの場合、壁が薄いため隣の生活音がよく聞こえます。
そのため入居者間で騒音トラブルが発生することも。もちろんマンションでもありますが、アパートの音の漏れには注意が必要です。
③防犯性
セキュリティーに関しては、最近のアパートではオートロックが付いているところもあります。
しかし低層のアパートではベランダから外部の侵入を完全に防ぐのが難しいというデメリットがあります。
マンションの場合、新築のほとんどがオートロック付き。また高層階のお部屋であれば、ベランダから泥棒が入る心配はありません。
またマンションは共用部分の防犯カメラの設置率がアパートよりも高くなっているので、総合的にマンションの防犯性の方に軍配が上がります。
④通気性
通気性はコンクリートより木造の方が優れているので、アパートの方がいいでしょう。
コンクリート造のマンションは気密性の高さが、通気性においてデメリットに働きます。
湿気がこもりやすく、冬場には結露になりやすいです。そのため、窓を開けて空気の入れ替えをしなければ、お部屋にカビが生えることも。
その点、木造アパートであればそういう心配は少なくなります。
しかし通気性の良さが、逆に夏場や冬場のエアコンの効きを悪くするといったデメリットにも。
通気性に関しては、建物構造だけでなく建物が立っている環境にも影響されます。
3. マンションとアパートでは家賃にはどれくらいの差があるのか?
同じエリアに、広さ・築年数・駅までの距離など、同条件のアパートとマンションがあった場合、家賃はマンションの方が高くなります。
マンションは建物の建築費がアパートより高くかかっています。また管理人がいるマンションであれば、管理費や共益費といった費用が高くなることも。
アパートでは管理人はいませんし、共益費もそれほど高くありません。
しかし最近のアパートは高級感を出し、マンション並みの外観に仕上げているところもあり、こうしたアパートではマンション並みの家賃をとるところも。
やはり建物の状況で家賃が大きく影響を受けています。いずれにせよ両者に明確な定義がないので、家賃差もはっきりとは言えませんが、マンションの方が高いというのが一般的な解釈です。
4. マンションとアパートのメリットやデメリットとは?
マンションのメリットやデメリット
マンションのメリットには次のような点があります。
マンションのメリット
- 耐久性・耐震性・耐火性に優れている
- 遮音性が高く、生活音が漏れにくい
- セキュリティー面の優位性が高い
- 高層階なら眺望がよく、日当たりも良い
- エアコンが効きやすい
一方で、マンションのデメリットにはつぎのような点が挙げられます。
マンションのデメリット
- 家賃が高い
- 管理費や共益費が高い
- 湿気がこもりやすい
マンションによってそれぞれ異なります。物件によってはデメリットがないところもありますが、総合的にみて家賃や管理費といった価格面以外のデメリットは少ないようです。
アパートのメリットやデメリット
アパートのメリットには次のような点があります。
アパートのメリット
- 家賃が安い
- 通気性が良いので、湿気が少ない
- 火災が起こった時、逃げやすい
一方でアパートのデメリットは次のような点があります。
アパートのデメリット
- セキュリティー面が弱い
- 壁が薄いので、隣近所の声や生活音が聞こえやすい
- エアコンの効きが悪い
- 眺望が悪い
このようにアパートにはいろいろなデメリットがありますが、最近ではマンション仕様のアパートも増えているので、そうしたところだとデメリットが少なそうですよ。
5. アパートとマンションは自分に合った物を選ぼう!
いかがでしたでしょうか。アパートとマンションは明確な定義はなく、曖昧に使われてきましたね。それでも、それぞれのメリットとデメリットはしっかりありましたね。
どちらがいいかは、住む人のライフスタイルや価値観によって違ってきます。ただ不動産投資という観点で見ていくと、アパートの方が収益性が高そうですね。
やはり建築費の安さは魅力的なので、アパートの家賃がマンションほど取れないといっても、収益性は十分ではないでしょうか。とはいえ、どれがいいかはその人次第。自分に合った投資スタイルで物件を選んでくださいね。
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