アパート経営をしていると、入居者を募集するための工夫や、少しでも長く入居者に住み続けてもらうための工夫を常に考えているものです。
特に、競合物件が多いエリアの物件は、競合物件よりも自分のアパートの評価を高くしないといけません。
そんなとき良く話題になる要素は、アパートの外観と内装のどちらを重要視すべきか?という点になります。当然ながら、アパートは「住まい」なので、外観も内装も大事です。
しかし、外観と内装どちらも修繕をしたり、高級の素材を使ったりというのは、予算的に厳しいことが多いでしょう。
だからこそ、アパート経営者はどちらに予算をかけたほうが効果的かを検討する必要があるのです。
そこで今回は、アパート経営において、外観と内装のどちらを重視すべきか?という点を、外観と内装、それぞれがキレイな場合の具体的な魅力に基づいて解説します。
その後、実際にアパート経営するときに注意すべきポイントも解説していきます。
目次
1. アパートやマンションは外観と内装どちらが人気?
楽待が20~30代の女性32名に対して、マンションやアパートは外観と内装のどちらが重要か調査しました結果を記事にしています。(https://www.rakumachi.jp/news/column/73436)
調査方法は「外観が古いが内装はきれいな物件」「外観はきれいだが内装が古い物件」の2つの画像を見せて、どちらに住みたいかをヒアリングするという方法です。
その結果、「外観が古いが内装はきれいな物件」を選んだのが87.5%、「外観はきれいだが内装が古い物件」を選んだのが12.5%になりました。
かなり圧倒的な差がでましたが、これだけでは「内装を重視した方が良い」といは言い切れません。
というのも、回答者にヒアリングしていくと、室内で過ごす時間や女性ならではの観点があったからです。
そのため、この結果は参考までに理解しておき、外観と内装がきれいというのは、具体的にどのようなメリットがあるかを深堀していきましょう。それが、自分のアパートは外観と内装のどちらを重要視べきかという判断材料になります。
2. 外観がキレイな場合どんな魅力があるのか?
外観がきれいな場合の魅力は、大きく分けて「防犯面」・「外観は変えられないものである」という魅力があります。
外観を選んだ人は、この2点を主張している人が多くいました。
2-1. 防犯の面で考えると外観がキレイな方が安心である
「外観がきれい=防犯面がしっかりしている」というわけではありませんが、一定の相関関係はあるでしょう。というのも、外観のきれいさは概ね築年数と連動しているケースが多いからです。
つまり、外観がきれいということは、築浅の物件である可能性が高いです。そうなると、オートロックや二重ロックなどの防犯性が高いマンションの可能性が高くなります。
仮に、「外観はきれいだけど実は築古で防犯性は高くない」マンションだったとしても、空き巣などはマンションの外観を見て侵入しやすいか判断することもあるでしょう。
そのため、結果的に外観がきれいな方が防犯面が安全になりやすいのです。
2-2. 部屋を自分でリノベーションする事はできる
また、自分ひとりの力では外観を変えることはできません。
住民からすると、そのアパートを修繕してもらうためには、オーナーに掛け合って修繕費用を捻出してもらう必要があり、そのハードルは非常に高いです。
そもそも、そのような考えを持ってアパートに入居する人はいないでしょう。
一方、内装が汚い場合はリノベーションして改善することは可能です。
仮に、「セルフリノベーション可能」にしておき、実際にリノベーションするときは、「オーナーに内容を確認して許可を得てからリノベーションする」という取り決めにしておけば、入居者からすると内装がきれいではなくても問題ないかもしれません。
要は、外観が汚いと「内装はリノベーションで変えられるけど、外観は変えることは無理だな…。このアパートは止めておこう」と入居検討者が思ってしまうというわけです。
3. 内装がキレイな場合どんな魅力があるのか?
つづいて、逆に内装がキレイな場合の魅力である、「居住環境」という観点を詳しく解説していきます。
3-1. 家で過ごす時間が長い場合は内装がキレイな方が良い
やはり、家の中で過ごす時間が長い人は、内装を重視する傾向にあるようです。
土日は家でゆっくり過ごすことが多い人や、専業主婦の方などはやはり外観よりも内装が気になるのでしょう。
そのため、ターゲットによって内装と外観の重要度は異なってくると言えるでしょう。
3-2. 内装がキレイだとストレスを感じず過ごす事ができる
また、実際に外観は古いものの内装がキレイな部屋に住んだ人は、住んだ後にストレスなく過ごすことができたとも言っています。
内装さえキレイであれば生活に問題がないことを、実経験で体験している人は多いのかもしれません。
3-3. 外観よりも内装の機能性の方が重要である
内装が古かったり汚かったりすると、機能的な問題も心配になってきます。
たとえば、浴室の設備が古く使いにくかったり、キッチンが使いにくかったりというのも考えられます。それらは、生活する上で不便さを感じるので、実生活を送る上では内装がキレイな方が良いと思う人が多いのでしょう。
4. アパートの外観で人気の色をランキングで紹介!
さて、このように外観VS内装の場合は、上述した理由で内装を重視する人が多数でした。
とはいうものの、ターゲットや内装の機能などを考えると、外観を補修した方が良いと判断する方もいると思います。その人達のために、外観でどんな色が人気なのかという点を解説していきます。
5位:ブルーやグリーン
まず、ブルーやグリーン系は、クールで落ち着いた雰囲気があるので、特に男性や若い人に人気の色です。
そのため、大学が近くにあり学生の入居者が多いアパートなどに利用されます。
4位:ホワイト
ホワイト系は、誰からも好かれる色なので、老若男女問わずに人気の色となっています。
ただし、ホワイト系の色はどうしても汚れが目立つので、陽当たりや築年数によっては汚れが目立ってくるので注意しましょう。また、将来的に苔や藻も生えやすいので手入れは必要になります。
3位:オレンジや黄色
オレンジや黄色などの、いわゆる暖色系は暖かい印象を与えます。
そのため、特に女性に人気のある色なので、女性をターゲットとしているアパートには向いていると言えるでしょう。
ただし、赤やピンクなどの派手な暖色系は好き嫌いが分かれるので注意が必要です。
2位:ブラウンや暗めの色
ブラウンやダーク系の色は高級感を演出できる色です。
あまり安っぽい建物にならないので、高級感やシックな感じを演出したければ、ブラウン・ダーク系が良いでしょう。
1位:ベージュ・クリーム色
ベージュやクリーム系は、アパートの外壁塗装の王道と言える色でしょう。
ベージュやクリーム系は、良い意味で主張がないものの、柔らかく高級感も演出できる色です。そのため、ターゲットがあまり定まっていない場合や迷っている場合は、ベージュ・クリーム系にしておけば無難でしょう。
5. アパートの色やデザインで入居率が変わってくる!
あまり気にしたことはないかもしれませんが、アパートや外壁塗装の色やデザインで入居率は変わってきます。
当然ながら、賃借人はアパートを選ぶときに、立地や家賃のほかにも、マンションの外観も重視して選ぶからです。
特に、同じようなや家賃の競合アパートが多ければ、最終的に入居するアパートの決め手は外観のきれいさであることも珍しくありません。
そのため、アパート経営をする場合には、10年に1度ほどのペースで、ターゲットを考えつつ塗装のし直しをするのが望ましいです。
6. アパートの色を選ぶ時は注意が必要
さて、そんな重要なアパートの外観の色ですが、実は色だけでなく、面積や明かりの種類もきちんと考える必要があります。
たとえば、同じ「白」といっても、白の面積によって印象は変わりますし、明かりの種類によっては見え方は変わってくるからです。
6-1. 色は面積によって見え方が変わってくる
まず、色には面積効果があるという点を覚えておきましょう。
みなさんも経験があるかもしれませんが、カタログなどにある「色見本」で色を選び、いざ商品が届くとイメージしていた色と違うといったことがあると思います。
これは、色見本で見た小さい面積と、アパートの外壁のような大きな面積で見ると印象が違うからです。アパートの外壁とまではいかなくても、衣類や小物くらいの大きさでも、目に入る面積が広くなると色の見え方は変わってきます。
特に、明るい色は面積が大きくなると明るく見えるので、明るい色を外壁に選ぼうとしている人は十分注意しましょう。対策としては、できるだけ大きな見本を見ることや、実際に施工された実例を見ておくことです。
6-2. 明かりの種類によって見え方が違って見える
また、明かりの種類によっても色の印象は大きく異なります。
たとえば、室内でも電球が蛍光色か電球色かというだけで、クロスの色の印象は変わってくるものです。
そのため、外壁塗装のサンプルを見るときは、室内だけでなく太陽光の当たる外で確認しなければいけません。
6-3. 艶が有るのと無いのでは印象が変わってくる
色には「艶」とう考え方があります。たとえば、車でも「グレーの艶消し」と単なる「グレー」では全然印象が異なりますし、チラシでも光沢(≒艶)のあるチラシと光沢のないチラシは同じ色でも違う印象を受けるものです。
それは、外壁塗装にも同じことことがいえ、艶があるかどうかで色の印象は全然違ってきます。
艶も有り・無しだけでなく、7分艶・5分艶などの種類があるので、艶有りにする場合は細かい艶の度合いまで考える必要があります。
7. おしゃれなアパートを建築する上で抑えておきたい5つのポイント
さて、最後は実際におしゃれなアパートを建築する上で、アパートの経営者として知っておくべき5つのポイントを解説します。
アパートはあくまで「経営」なので、単に「おしゃれ」という点以外にも以下5つに注意して建築しましょう。
①防犯設備は必ず必要
この点はデザイン以前の問題ですが、防犯設備は当たり前のように完備しておく必要があります。
たとえば、オートロックや防犯カメラは、今からアパートを建築するなら、ほとんどのアパートで設置するでしょう。
そのため、いくらデザインが良くても、防犯設備がなければ競合と比べたときに大きなマイナスポイントになってしまうのです。
とはいえ、おしゃれなアパートをつくるなら、あまり物々しい印象にならないようにしなければいけません。
防犯カメラは目立たないような場所に設置したり、設計段階から意匠(デザイン)に防犯設備を盛り込んだりする必要があります。
②建築するエリアに合った外観を選ぼう
また、いかに「おしゃれ」とはいえ、その土地とエリアの雰囲気に合ったデザインにする必要もあります。たとえば、若い世代、子育て世代、シニア世代では嗜好性が全然違います。
そのため、周辺住民やその土地の雰囲気が、どの世代にマッチしているかを考え、その世代にあったデザインにする必要があります。
たとえば、渋谷・広尾・自由が丘・蒲田・川崎などをイメージしてもらうと、それぞれ住んでいる人の嗜好性が違うという点はイメージできるはずです。
③リフォームがしやすい建物にする
住まいの設備・内装は年々進化と変化を繰り返し、時代によって人気の設備や内装は変わってきます。
そのため、将来的にリフォームしやすいように設計すべきです。
具体的には、躯体自体は枠組みはしっかりしているものの、リフォームしやすいスケルトン・インフィル※を採用すると良いでしょう。
スケルトン・インフィルに基づいた建築物であれば、建物の強固さを保ちながら、リフォームしやすいので将来的に収益を生み出すアパートになりやすいのです。
④部屋の内装では他ではない違った物を取り入れる
また、おしゃれなアパートを好む人は、自分ならではの室内空間にこだわっている人も多いため、そのアパートならではの特徴を持たせることが重要です。
たとえば、バルコニーを広く設計したり、水回りの一点を豪華にしたりと、そのアパートならではの個性を盛り込むと入居者に喜ばれます。
⑤手に入りやすい資材を利用し、尚且つ個性を出す
また、前項と似通ってくる部分ではありますが、「とにかくおしゃれにする」という想いで設計を考えていると、いつしか予算にキリがなくなってしまいます。
そこでポイントになるのが、「入手しやすい資材を組み合わせて、そのアパートならではの個性を演出する」ということです。
たとえば、日本国内で一般的に流通している資材であれば、将来的にも供給が安定している可能性が高いので、価格が大きくブレることは少ないです。
この点は、建築家や設計事務所次第なところがあるので、信頼できる建築家・設計事務所を探すことも重要になります。
8. アパートの外観をキレイに見せる事も空室を減らす一つの手段に!
アパートは外観も内装も重要です。そのうち、外観をキレイに見せるというのは、空室リスクを減らすためには重要な要素になります。
もちろん、上述した統計を見る限り「内装」も重要度が高いことが分かりますので、内装をリノベーションするかどうかの判断は必要です。
いずれにしろ、外観・内装をキレイにする魅力を知り、自分のアパートのメリット・デメリットに置き換えて検討してみましょう。
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