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安定成長が見込める学生向け賃貸住宅に大手不動産会社が注力!異業種との協業も

空き家問題など縮んでいく賃貸市場の中で、安定した成長が見込めるとして学生向け賃貸住宅市場への大手不動産会社の参入が相次いでいる。

少子化により大学進学率が高まりや海外から来る留学生の増加を背景に、ワンランク上のマンションや寮の開発が進む。

これまでとは違う、ワンランク上のマンションや寮

学生の住まいと言えば、学生寮や古いアパートのイメージが強いですが、学生向け賃貸住宅は学生も親も安心できて、快適な生活を送れるワンランク上のマンションや寮が人気。

その背景には、大手不動産会社や外資系企業が参入や学生の取り込みを狙う異業種との協業がある。

細部までこだわった居住空間

東急不動産は、大学の多い東京都豊島区の住宅街に同社初の学生マンション「キャンパスヴィレッジ椎名町」を3月に開業。

準備した167室は、完成前に全室契約が終わった。

人気の秘密は、

  • 警備員が24時間対応してくれる
  • 居住者同士が楽しめるカフェテリア
  • 栄養士が食事を管理している

など学生や親も安心のセキュリティや豪華な施設だ。

以前までの学生寮や古いアパートとは大きく異なる。

東急不動産ホールディングスは、学生マンションに本格参入するため、学生マンションを運営する学生情報センター(京都市、ナジック)を平成28年11月に子会社化。

関西でも来年3月に「キャンパスヴィレッジ京都西京極」(仮称、全113室を予定)を京都市で開業を予定している。

他にも、昨年春には伊藤忠都市開発は川崎市で学生マンション(全390室)、三井不動産レジデンシャルも東京都豊島区で学生寮(全178室)を開業するなど大手の参入が相次ぐ。

大手不動産業者は、東京都心部のマンション需要が減少傾向にある中、景気に左右されにくく、安定的な収益を見込みやすい学生向け賃貸住宅へ軸足を移している。

外資系も学生住宅市場に

世界8か国で学生寮を運営するグローバル・スチューデント・アコモデーション(ドバイ)は、26年に日本法人を立ち上げ、翌27年から大妻女子大寮の管理・運営を開始。

それを皮切りに、米不動産投資会社に協力を仰ぎ、今年3月には東京都文京区に日本第1号の自社学生寮(全175室)を開業。

市場の拡大を後押ししているのは大学生数の増加。

29年度には、国内に在学する大学生の数は10年前よりも6万2千人増え、前年比1万7千人増の289万千人。

少子化は進んでいるが、女子の進学率の増加もあり、大学進学率は過去最高を記録。

他にも、政府は外国人留学生の受け入れに力を入れており、29年5月には約26万7千人を記録、32年には30万人を目指していることも新規参入に追い風となっている。

異業種との協業で学生誘致へ

一方、学生寮の大手共立メンテナンスとパナソニックが手組み、学生寮に新たなサービスの提供を始めた。

大阪府吹田市の女子学生寮では、「パリのホテル」をイメージしてリニューアルし、4月にはパナソニックの美容家電7種類を試用できるラウンジなどを設置。

パナソニックは、施設内の食堂において美容家電の定期イベントも開始するなど、将来の顧客として学生に期待する。

学生向け賃貸住宅を舞台に、異業種も新たな市場開拓に力を注ぐ。

産経WEST 2021.5.2 学生向け賃貸住宅に新規参入相次ぐ サービス「至れり尽くせり」、市場は安定成長

 

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