不動産を持っていると、不動産担保ローンを利用ができます。
不動産担保ローンとは文字どおり不動産を担保にして金融機関からお金を借りる金融商品です。
不動産担保ローンでは無担保ローンと比べて低金利でお金を借りることができるので、とてもお得ですが、不動産担保ローンはあまり聞きなれない言葉で、また周りで利用してお金を借りたという人の話もあまり聞いたことがないのではないでしょうか。
今回は、不動産担保ローンの内容を説明し、2023年の不動産担保ローンランキングを個人・法人に分けてご紹介します。
- 「不動産担保ローンってどんな感じ?」
- 「不動産担保ローンってどこがいいの?」
といった皆さんの素朴な疑問を解消するため、実際の利用者を調査してみました。
これから不動産担保ローンを検討したいと思っている方は、ぜひこちらを参考にしてみて下さい。
目次
1. 不動産担保ローンとは|種類と審査基準
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保※にお金を借りる金融サービスのことです。
住宅を購入するときに使う住宅ローンは、住宅購入以外にお金を使えないもので、不動産担保ローンとは全く別の商品になります。
また最近は「おまとめローン」として利用する人も増加中です。
不動産担保ローンは無担保ローンと比べると、かなり低金利でお金を借りることができるというのが最大のメリット。
ただし取り扱っている金融機関が限られるので、利用する際はしっかり調べておく必要があります。
不動産担保ローンは、個人向けと法人向けに分かれていて、それぞれ金利や融資額上限など詳細がバラバラです。
まず、種類や審査基準をご紹介します。
※担保…債務の支払いが困難になったときに代わりに返済に充てられる対象物のこと
個人向け不動産担保ローンと法人向け不動産担保ローンの違い
不動産担保ローンは、使途の違いにより2種類に分けられます。
個人向け不動産担保ローンであれば、教育費用・結婚費用・リフォーム費用・旅行費用など様々なプライベートシーンで利用可能。
ただし事業性資金には利用不可です。
一方、法人向け不動産担保ローンは、運転資金・開業資金・設備資金など事業に関する幅広い用途に使うことができます。
法人や個人事業主を対象に融資されているものです。
担保にできる不動産の条件|抵当権・連帯保証人
担保にできる不動産の条件は、自分名義の不動産、または親族名義の不動産になります。
親族の不動産を担保にする場合には、親族が連帯保証人になることも必要です。
審査基準|担保価値・信用力・掛目
不動産担保ローンの審査基準としては、
- 「担保になる不動産の価値」
- 「融資を受ける人の信用力」
- 「担保掛目や融資掛目」
といった金融機関のリスク設定があります。
①担保価値|土地建物の評価
土地の評価には一般的に「路線価」という土地の基準価格が使用され、建物の評価には「再調達価格」が使用されます。
【用語】路線価・再調達価格
路線価 |
国税庁が公表する市街地の道路に沿った宅地の1㎡あたりの評価額。
相続税・贈与税・地価税などの評価基準になる。毎月8月頃に公開され国税庁のHPで確認できる。 |
再調達価格 |
再調達価格とは、評価する建物を建て直すために必要な価格(RC造=20万円/㎡・木造=15万円/㎡)。建物評価は、再調達価格から経年劣化分を差し引いて計算する。
計算式…「建物評価=再調達価格×延べ床面積×残存年数÷法定耐用年数」 |
②信用力|返済負担率・借金額
返済負担率とは、「返済額÷収入」で計算します。一般的に50%を超えていると審査に通りにくいでしょう。
なお、借金額は信用情報機関に情報が掲載されるので、金融機関が確認できるシステムになっています。
③掛目|担保掛目・融資掛目
金融機関が評価した担保価値が、そのまま融資可能額にはなることはありません。
なぜなら、経済状況や災害といった様々なリスクがあるからです。
そこで、不動産担保ローンでは「掛目」として、一定の割合を掛けて融資可能額を計算します。
たとえば、担保価値が5,000万円であれば、掛目を70%として「5,000万円×70%=3,500万円」を融資可能額とするのが一般的です。
審査の厳しさ|銀行・ノンバンク
都市銀行などは、高い信用力を求めるので審査が厳しくなります。
一般的に都市銀行の審査に落ちた人が中小のノンバンクを利用するケースが少なくありません。
2. 【2023年最新版】不動産担保ローンランキング|個人向け
2023年の個人向け不動産担保ローンのランキングをご紹介しましょう。
第3位|SBIエステートファイナンス
SBIグループのSBIエステートファイナンス株式会社が提供する20年を超える実績を持つ不動産担保ローンです。
SBIエステートファイナンスの不動産担保ローンの概要
特徴として、
- 「SBIグループの信頼性」
- 「年間3,000件を超える実績」
- 「下限金利、上限金利ともに低金利」
- 「最大5億円、最長25年の借入が可能」
- 「最短即日の回答、3営業日の融資実行」
という点があげられます。
2位:株式会社つばさコーポレーション
株式会社つばさコーポレーションは東京都渋谷区にある個人・法人向け不動産担保ローン会社。
不動産を担保にした一般ローンに加え、不動産住宅購入ローン・つなぎ融資など多くの商品を揃えています。
株式会社つばさコーポレーションの概要
株式会社つばさコーポレーションは個人向け不動産担保ローンとして「つばさコーポレーション不動産スーパーサポートローン」を提供。
これはプライベートな資金であれば何にでも自由に利用が可能。
この商品の特長は何と言っても低金利。3.8%~7.8%までの低金利に加え、返済期間が最長30年というゆとりの返済。
返済の負担も少ないので、「おまとめローン」としても人気があります。
またすでに担保が入っていて、抵当権第二順位以下であっても融資が可能。
これまで多くの融資事例と実績があるため、複雑なケースであっても柔軟に対応してもらえます。
1位:株式会社東京スター銀行
東京スター銀行は東京都港区に本社を置く地方銀行。全国に32店舗、ATMは956カ所に設置し、首都圏以外でも営業展開しています。
株式会社東京スター銀行の概要
東京スター銀行は個人向け不動産担保ローンとして「スター不動産担保ローン」を提供。
個人向け不動産ローンであれば、事業性資金以外のプライベートな資金に利用可能。
この商品のメリットは選べる金利タイプと低金利。住宅ローンのように固定金利と変動金利を選ぶことができます。
また0.85%~8.35%と低金利なのも魅力の一つ。
また担保不動産は本人名義でなくても、配偶者・両親・兄弟など家族の不動産でも利用可能。
名義人の同意さえ得られれば担保ローンを申し込めるので、利用の幅が広がります。
3. 【2023年最新版】不動産担保ローンランキング|法人・個人事業主向け
2023年の法人・個人事業主向け不動産担保ローンのランキングをご紹介しましょう。
3位:日宝
日宝は個人向け不動産担保ローンだけでなく、法人や個人事業主にも積極的に融資。
長年の実績から多くの融資事例があるので、幅広く柔軟な対応をしています。
日宝の概要
日宝の不動産担保ローンは法人・個人事業主向けに、様々な事業資金として融資を行っています。
たとえば運転資金・つなぎ資金・起業資金、設備資金、給与資金など幅広く利用可能。
融資金額は最高5億円なので、大規模な事業性資金にもしっかり対応。金利は4.0%~9.9%までと10%を切る低金利。
また返済期間は最長30年までと長いため、ゆとりある返済計画が立てられます。
事務所は東京ですが全国対応しているので、日本国内の不動産物件を担保にできるのが特徴。
2位:アイフルビジネスファイナンス株式会社
アイフルビジネスファイナンス株式会社は東京都港区にある事業者向けローン会社。
不動産担保ローンをはじめ、売掛債権ファクタリング・診療報酬担保ローンなど、幅広い商品を提供。
消費者金融のアイフル株式会社の子会社で、東証一部に上場しています。
アイフルビジネスファイナンス株式会社
アイフルビジネスファイナンス株式会社は、不動産担保ビジネスローンと不動産担保カードローンを用意しています。
不動産担保ビジネスローンは事業資金全般に利用可能で、法人であれば最高1億円、個人事業主であれば最高2,000万円まで融資可能です。
金利は14.8%上限で、返済期間は最長30年。
またローン事務手数料が無料で、保証人も原則不要。さらに抵当順位は問われないので、とても利用しやすい不動産担保ローンです。
1位:株式会社セゾンファンデックス
株式会社セゾンファンデックスは「セゾンカード」でお馴染みのクレディセゾングループの金融業者。
個人・法人・個人事業主などを対象に、不動産担保ローンを提供しています。
株式会社セゾンファンデックスの概要
個人事業主や会社経営者を対象にした事業者向け不動産担保ローンがとても人気。
設備投資・運転資金・給与資金など幅広い事業性資金に利用可能。
変動金利と固定金利から選ぶことができ、さらに金利が2.6%~9.9%と低水準なところが魅力。
借入金額は最高1億円、返済期間最長25年なので、ゆとりをもった返済ができます。
また担保物件の抵当順位が問われません。
また不動産名義が本人以外の家族であっても利用できるなど、ハードルの低さが利用のしやすさにつながっています。
事務手数料が借入額の2.0%と少し高くなっていますが、低金利を考えると許容範囲かもしれませんね。
4. 不動産担保ローンのメリット6つ
不動産担保ローンを利用する場合のメリットを6つご紹介します。
①低金利で組める
無担保ローンに比べると、不動産を担保にしているため金融機関が安心して融資できるので金利が低く設定されています。
②大きな金額が借りられる
融資金額が高額になります。
金融機関は、借入者の返済が滞っても担保を処分することで残債を回収できるからです。
③長期返済が可能
返済期間は、長いローンであれば25年や30年という期間を設けている商品もあるので、ゆとりのある返済をすることができます。
④担保で審査の信用力が上がる
担保にできる資産を所有しているという事実だけで審査の信用力は高くなります。
金融機関は、担保により確実に残債を回収できるからです。
⑤審査が比較的通りやすい
担保により審査の信用力が高くなるため、無担保や無保証のカードローンよりも審査に通りやすくなります。
⑥借り換えや一本化に使える
金利の高いローンを利用している人が、金利の低い不動産担保ローンに借り換える他、複数の借り入れがある人が、おまとめローンとして一本化することも可能です。
5. 不動産担保ローンのデメリット5つ
メリットも多いですが、不動産担保ローンにはこんなデメリットもあります。
メリット・デメリット両方を把握してから検討しましょう。
①手数料が掛かる|高額になることも
事務手数料・登記費用・印紙税・振込手数料などの費用が発生します。
さらに、不動産鑑定費用などが必要な場合は高額になることもあるでしょう。
②融資までに時間が掛かる
提出する書類も多くチェックに時間が必要です。
担保となる不動産の評価や抵当権の設定など様々な工程があり実行までに1カ月程度かかるでしょう。
③返済できない時に担保を失う
金融機関は、借入者が返済できないと抵当権を設定した担保物件を競売して回収にあてるでしょう。
そうなると、担保を設定した物件を失うことになります。
④元本割れすることがある
担保物件を諦めれば債務がなくなるとは限りません。
担保物件を売却した額が残債を上回れば、差額が新たな債務になるのです。
これを元本割れといいます。
⑤連帯保証人が債務を負うことがある
不動産担保ローンの場合、連帯保証人が必要とは限らないのですが、連帯保証人が設定されていれば債務を負うことがあります。
6. 不動産担保ローンはメリット多し|用途に合ったプランを見つけよう
不動産担保ローンを提供している会社はそれほど多くありませんが、人気がある会社では低金利で良い条件を提供してくれています。
今回ご紹介した会社は、どこも利用実績が豊富な会社ばかりなので、安心して利用していただけるのではないでしょうか。
個人であれ法人であれ、急にまとまったお金が必要になることはあります。
そんな時に無担保ローンは手軽で便利ですが金利が高いので、不動産を持っていれば不動産担保ローンを利用して、安くお金を借りられるのでおすすめです。
融資額が大きくなれば金利差による支払額はかなり変わってきます。
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