ひとつの住まいの形として、若者の間で人気のシェアハウス。
テレビやドラマでも取り上げられる機会が増え、シェアハウス暮らしに憧れる若者が増えています。
手軽に一人暮らしができ、外国人や同じ趣味を持つ人と一緒に共同生活することで交流する機会が得られるなどメリットも多いです。
しかし、他人同士が同じ空間で生活し、水回りや共有スペースをシェアするので入居者同士のトラブルがあるのも事実。
盗難・騒音・共有スペースの使い方・男女間トラブルなどで、自分が被害者になったり、知らぬ間に加害者になってしまうこともあります。
トラブルに巻き込まれると非常にストレスを感じますし、最悪の場合はシェアハウスの退去も検討しないといけません。
又、最近ではシェアハウス投資で大きな損をする人が出ており、投資をする場合にも十分に注意が必要です。
今回は、シェアハウスでトラブルに巻き込まれない方法についてお話しします。
目次
1. シェアハウスにはどんなトラブルが考えられるのか?
シェアハウスで生活する上で、とういったトラブルがあるのでしょうか。
一般の賃貸住宅であれば、基本的には部屋に他人が入ってくることはありませんが、同じ部屋に住んだり、共有スペースを一緒に利用するシェアハウスでは様々なトラブルが想定されます。
次は、シェアハウスで多いトラブルについてご紹介します。
1.盗難によるトラブル
シェアハウスには、一人だけの個室タイプの他に、2人1室のシェアルームタイプ、4人~8人程度で暮らすドミトリータイプなど様々なタイプがあります。
個室タイプであれば一般の賃貸住宅とあまり変わりませんが、複数人で暮らすドミトリータイプの場合だとどうしても盗難などトラブルは増えます。
ドミトリータイプは盗難に注意が必要
ドミトリータイプの場合、他人同士が一つ屋根の下に暮らすことになるので、最初はお互い貴重品の管理など警戒していますが、ある程度期間も経過し気心が知れてくると警戒心は弱まります。
同居人の所有物を盗むわけがないと思うかもしれませんが、国籍や収入なども様々な上、盗られる方が悪いと考えている人も中にはいます。
実際に盗られてしまうと誰が犯人か探すもの簡単ではありません。
とは言え、最初から金庫を使うのも同居人を信用していないと思われますし、盗難が心配だということであれば貴重品は極力肌身離さず持つか、ドミトリータイプに住むんだから盗られても仕方ないくらいの考え方を持っておいた方がいいでしょう。
共有のスペースに置いた私物が盗られる事も!
部屋の中だけでなく、共有スペースも盗難が多い場所です。
同じ部屋であれば多少の遠慮はありますが、共有スペースに物を置き忘れたりすると、共有物だと思って勝手に使ったり、部屋に持ち帰ってしまうことがあります。
シェアハウスで生活する上で、共有スペースに私物を置くということは、他の人に勝手に使われたり取られても仕方がないという認識を持つ必要があります。
大事な物は共有スペースには置かない、置く場合は取られてもいい物だけにしておきましょう。
2.騒音によるトラブル
シェアハウスは建物が簡素な作りになっている場合が多く、物音が響きやすいので騒音トラブルが起こりやすいと言えます。
壁が薄く隣の部屋の音が気になったり、同居人のいびきがうるさくて眠れない、共有スペースで夜遅くまで騒いでいるなど様々な騒音トラブルがあります。
壁が薄い為、隣の部屋の騒音が気になる
シェアハウスは収益用なので、建築費を抑えるために建物は簡素に作られており、壁や床が薄いので音が響きやすくなっています。
ドミトリータイプや部屋に友達を呼んでも良いシェアハウスなどは、人が集まるとどうしても騒ぐので音が出ます。
騒いでいる本人はいいかもしれませんが隣人は困ることに。
最近は友達を呼べないシェアハウスも増えていますが、シェアハウスを決める場合は必ず友達を呼べるかどうか確認が必要です。
共有スペースで深夜まで騒いでいる
シェアハウスで暮らす人は若者が多いので、どうしても深夜まで共有スペースで団らんするケースが増えます。お酒が入ると話し声や笑い声などどうしても大きくなりがち。
シェアハウスの構造にもよりますが、共有スペースに近い部屋だと本当にうるさいと感じるのではないでしょうか。
シェアハウスでは、共同生活をしているのである程度我慢は必要ですが、深夜0時を越えても騒いでいるようであれば管理人に通報した方がいいですね。
それでも解決しない場合は、退去も検討したほうがいいかもしれません。
3.共有スペースの利用方法によるトラブル
やはり、シェアハウスで一番多いのが共有スペースの利用方法に関するトラブル。
国籍や家庭環境など育ってきた状況も違うので、一人暮らしや自宅の感覚で水回りや共有スペースを使うとトラブルの元です。
お互いに気遣いながら生活しないと他の人を不快な気持ちにさせてしまうことに。
お風呂場の使い方が悪い
実家暮らしだとお母さんがお風呂掃除などはしてくれるので、お風呂掃除をほとんどしたことが無いという人も多いと思います。
特に男性のお風呂場は、シャンプー・リンスや風呂桶などが使いっぱなしで散らかって汚くなっているケースが見受けられます。
シェアハウスでは、入居者が当番制で掃除をする場合と管理会社がする場合があり、小規模は当番制が多く、1週間に1回程度順番が回ってきます。
お風呂掃除で一番汚い部分は実は排水溝。
排水溝のふたを開けると大量の髪の毛がたまっています。そのまま放っておくと髪の毛がドンドンたまり、水が流れなくなったり、臭いの原因になります。
そのため共有スペースのお風呂場を使う際には、自分が掃除することも考えて、排水溝の掃除は積極的にやる気持ちをもっておくことが大切です。
共有スペースに私物を置く
シェアハウスでは、共有スペースで頻繁に使うからと言って私物を置くことは基本的には禁止されています。
ひとりが私物を置くと他の人も置くようになり、共有スペースが私物で溢れることに。
そうなると見た目もよくありませんし、盗難などのトラブルも起きやすくなります。
所定の位置があるのであればその場所に、無ければ部屋に持って帰る習慣をつけましょう。
使用した物を決められた場所に戻さない
キッチン用品などの共有物は使ったら所定の位置に戻さないといけません。
所定の位置にないと次使う人が探さないといけませんし、私物化して部屋に持って帰ると他の人に迷惑をかけることに。
管理会社やオーナーが好意で置いているものも多いので、使った後は所定の位置に戻し、私物化しないようにしましょう。
共有スペースのゴミ箱に個人のゴミをまとめて出す
部屋にゴミが貯まるのが嫌だと共有スペースのゴミ箱に捨てる入居者もいます。
共有スペースで宴会をするなど、みんなで使用して出るゴミは仕方ないですが自分の部屋で出したゴミは自分の部屋で処理するようにしましょう。
トイレの利用方法が汚い
トイレの利用は人によって様々で、一番トラブルが多い場所とも言えます。
特に男性便所は、小便が跳ねて便器の周りを汚したり、大便が便器に付いたまま放ったらかしにしているなど汚いことが多いので特が必要です。
小便をする場合は一歩前に、大便は先にトイレットペーパーを敷いてからするなど汚れない工夫をしましょう。
キッチンや洗面所のシンクが水浸しのまま放置している
普段キッチンで料理などをしない人も多く、水を大量に出してシンクを水浸しにしてそのまま放置してしまうケースも多いです。
次の人がすぐに利用することも多いので、料理が終わったらシンクの水をふき取る習慣をつけましょう。
4.男女関係によるトラブル
シェアハウスを舞台にしたドラマも多く、ドラマと同じような恋愛を夢見て入居する人も多いです。
しかし、シェアハウスは小さなコミュニティなので、男女間の噂やトラブルはすぐに広がってしまう危険性も。
シェアハウスで起こる男女関係のトラブルとは?
一緒に住んでいる人に失恋してしまいシェアハウスを退去してしまう
恋人同士でいる間はずっと一緒にいたいと思うものですが、残念ながら別れることになると毎日会うのは気まずいもの。勇気を出して告白したけど失恋してしまったケースも同様です。
そうなるとどちらか一方が退去することになる場合が多く、シェアハウスで恋愛をする場合はそういったリスクを考える必要があります。
シェアハウス内で恋人関係が生まれ、気をつかう
シェアハウス内で恋人関係が生まれると周囲も祝福したい気持ちはありますが、あまり露骨に愛し合うと周囲が気を使います。
あくまでも共同生活だということを認識し、共有スペースなど目のつくところではそういった行為は避けるべきです。
5.他人の匂いによるトラブル
キッチンなど共有スペースではある程度料理の匂いはある程度仕方ないかもしれませんが、部屋に戻って臭いのする食事をしたり、ゴミを放ったらかして腐らせる行為はトラブルの元です。
匂いに対する考えは人それぞれ。万人受けする香水でも嫌な臭いだという人もいます。
共同生活しているということを意識し、特に匂いのするものは取扱いにご注意を。
6.退去時に保証金が返金されない
保証金の取り扱いは管理会社によって違うので、退去時に保証金が返金されないケースも。
全額返金・一部返金・返金なしといったパータンがあり、退去の連絡が遅い場合なども保証金の返金が遅れる原因になります。
そのシェアハウスの保証金の取り扱いについては入居時にきちんと確認しておきましょう。
2. シェアハウスでのトラブル回避方法6選
国籍など出身の違う人達が集まるシェアハウスでは、生活習慣の違いや共同生活に慣れていない人が多いなどトラブルが起こりやすい空間であると言えます。
そのため、共有スペースのルール決めや掃除当番順番などきちんと決めておかないと上手くいきません。
トラブルを回避する6つの方法についてお話いたします。
①共有スペースやマナー等のルールを決めておく
管理会社が運営しているシェアハウスであれば、管理会社が共有スペースのマナーやルールといったハウスルールを決めています。
入居時にこのハウスルールを守るように誓約書にサインをしているはずです。
ハウスルールがあれば、何か問題があれば管理会社や管理人も対応がしやすく、トラブルは起きにくくなります。
②掃除はだれがする事になっているのか確認する
掃除当番には、
- 住人が順番に行う当番制
- 一部の入居者が報酬をもらって行う当番バイト制
- 管理会社が業者に依頼する清掃業者制
があります。
小規模のシェアハウスでは掃除が当番制になっていることが多くトラブルが起きやすいので、きちんと表を作って順番を決める、どの場所を誰がやるかなど取り決めておく必要があります。
③シェアハウスに管理人が来ているか確認する
管理人の巡回がないとシェアハウス内の風紀が乱れトラブルが多くなります。
いざトラブルが起こっても管理会社の対応も遅くなり、益々トラブルが拡大することも。
シェアハウスを決める際には、最低でも月1回以上は管理人が巡回しているか確認し、トラブルが起こった際にすぐ対応してくれるかチェックしておきましょう。
④入居前に住人に挨拶する
入居前に住人に挨拶することでシェアハウス内の雰囲気を掴むことができます。
一度話しただけですべてが分かる訳ではありませんが、入居前にどういった人がいるのかわかるだけでも全然違います。
余裕があればシェアハウス内では交流会などが頻繁に開催されるか、トラブルがないか、どういった人が多いのかなど質問してみるといいでしょう。
⑤個室以外の共有スペースも確認しておく
シェアハウスは一般住宅と違い共有スペースが多いので、部屋を見に行く際は個室だけを見るのではなく、共有スペースもきちんと確認しておく必要があります。
共有スペースの管理がいいシェアハウスは、入居者のマナーもよくルールーを守っていることが多く、逆に共有スペースが汚いシェアハウスは要注意。
他には掲示板に貼っているチラシやルールなども見ておくと良いでしょう。
トラブルが起こっている場合は注意文が掲示されていたり、細かいルールが定められているのであれば、入居者がルールを良く破っているケースも考えらえます。
⑥シェアハウスでのルールや契約内容をしっかり確認する
シェアハウスによってルールや契約内容はそれぞれ違います。
契約の際にハウスルールや契約内容をきちんと読まなかったばっかりに、自分の生活スタイルと合わず結局退去することに。
契約前にルールや契約内容をきちんと確認し、理解した上で入居することが重要です。
3. シェアハウスに住み始めた後のトラブル防止策
シェアハウスでの生活ではトラブルが多いとは言え、出来ればトラブルは避けたいところ。
自分は直接関係なくても友人同士の間に挟まれてしまったり、些細なことから誤解を招き大きなトラブルに発展となるとストレスも溜まります。
人と人との接点が多いシェアハウスでトラブルに遭遇しないためにはどういった対応を心掛ければいいのでしょうか。
シェアメイトとの距離を一定に保つ
シェアハウスでは、同部屋に住んだり、共通の趣味や考え方をもつシェアメイトが多いので、仲の良い友達ができやすい環境にあります。
しかし、毎日同じ屋根の下で暮らすからといって、あまりプライベートに立ち入るとトラブルの元です。
やはり、シェアメイトはあくまで他人。
お互いを尊重し合い、距離を一定に保つ方が良好な関係を築くことができます。
他の人の揉めごとには関わらない
他の入居者同士が揉めても、余程の関係でない限りは他の人の揉めごとには関わらない方が無難です。
揉めごとの多くは、当事者間しかわからないことが多く、長い間積もり積もった不満が爆発した場合などは簡単には解決しません。
安易な親切心を出して揉めごとが更に面倒なことになれば、あなたの責任にされることも。
揉めごとが起こった場合は、管理人や管理会社へ連絡し解決してもらうようにしましょう。
決められたルールは守る
まずは、自分が決められたルールを守ることが重要。
「他の人がやっているから」「この程度なら大丈夫」と自分に甘くなってしまいルール違反をしてしまいがちですが、他の入居者からすると非常に迷惑に思っているケースもあり、管理会社に通報されると大変です。
共同生活を行っているという意識を持ち、少しだけという甘え考えは持たないようにしましょう。
一人の時間を大切する
交流を求めてシェアハウスに入居する人も多いですが、人と接するとやはり疲れます。
他の人と一緒にいる時間が多いシェアハウスだからこそ、敢えて一人の時間を大切にする必要があります。
個室でゆっくりくつろいだリ、偶には自宅に帰るなど、一人の時間を大切にすることが円滑な人間関係を築くコツです。
無理をしたり、ストレスは貯めないようにする
人はどうしても他人にいいカッコしたいもの。
「誘われたら断れない」「ルール違反を注意できない」など無理をしたり、嫌な事が多いとストレスが溜まります。
共同生活を送る上である程度は我慢も必要ですが、無理をしてストレスが貯まったり、体や精神を病んでしまうのと生活に悪影響を及ぼします。
人付き合いも大事ですが、まずは自分が楽しく、健康で過ごせるように考えて行動することが大事です。
4. でもトラブルが起きてしまった時はどうすればいいの?
色々と検討してシェアハウスを選び、気を付けていても生活していてもトラブルが起こることがあります。
自分で解決できるような簡単なことであればいいですが、他の入居者と揉めたり、簡単には解決できないトラブルが起こった場合はどのように対応すればいいのでしょうか。
管理者に相談する
トラブルが起こった場合は、管理人や管理会社などに相談しましょう。
簡単な問題なら当事者間で解決できると思われるかもしれませんが、入居者と言えども他人同士。
お互い自分が有利になるように物事を運ぼうとします。
そういった場合は、第三者に入ってもらい公平な立場で判断してもらう方がトラブルも早く解決。
自分では小さな問題だと思っていても、大きな問題に発展することも多いので、早い段階で管理者に相談するのが最善です。
引っ越しを視野に入れる
管理者に相談してもトラブルが解決しない場合は、引越しも視野に入れる必要があります。
シェアハウスによって管理者の対応はそれぞれで、対応の早い管理者もいれば中々対応してくれないケースも。
入退去の手軽さがシェアハウスの魅力のひとつなので、トラブルが解決しない、自分には合わないと感じたら引越しして別の住居を探す方が良いでしょう。
ほとんどのシェアハウスでは、1か月前に通知すれば退去が可能。
嫌な環境で生活するくらいなら早めに見切りにつけることも大事です。
5. シェアハウス投資を考える人も知っておきたいトラブル
ここ数年、不動産投資の新たな形として誕生したシェアハウス投資。
スマートデイズなどが、30年間家賃保証、高利回りを謳い文句に多くの物件を販売しました。
しかし、スマートデイズの運営はずさんで、保証するはずの家賃が支払えないということで大きな問題となっています。スマートデイズの「かぼちゃの馬車」破綻問題とはどういったものなのでしょうか。
女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」破綻問題
最近でテレビや新聞でも大きく取り上げれた女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」破綻問題。
スマートデイズ社が高利回りの投資用シェアハウスを30年間家賃保証するという謳い文句で投資家に販売。
入居者の女性の職業斡旋事業も行っており、別収入があるので家賃が入らなくても大丈夫とのことでした。
しかし、投資家は平成30年の1月にスマートデイズ社から突如家賃の支払いができないと言い渡され、投資家は銀行への返済に困ることになります。
かぼちゃの馬車のトラブルはなぜ起きたの?
スマートデイズの販売していた「かぼちゃの馬車」は女性向けシェアハウスのブランド名。一時期タレントのベッキーさんがCMに起用されたことでも話題になりました。
スマートデイズは、平成24年に設立され、30年間サブリース、万が一賃貸収入が無い場合でも入居者女性への就職の斡旋による収入でカバーできるということを謳い文句に販売を開始。
購入者は、年金など将来に不安を持つサラリーマンが中心。30年間家賃保証してくれ、将来の副収入、資産が築けるのであればと最終的には700名が購入しました。
物件は、主に東京都・千葉県・神奈川県を中心に建築され、バス、トイレ、キッチンが共有で室内は10㎡を切る場合がほとんどで、テレビに出てくるような大きなリビングや共有スペースはありません。
価格は、1億~3億で一人1棟~2棟購入し、負債は最大4億円の投資家も。
設立当初販売されていた物件は、収支も合うものが多かったようですが、最近販売されていた物件は駅から徒歩10分以上など場所も悪く、入居率も50%以下といった物件がほとんど。
今回スマートデイズが破綻したのは、30年間サブリースすると言っていた家賃の支払いができなくなったことが原因です。
「サブリース賃料が相場よりも高い」「入居率が予想よりも低い」「就職斡旋事業が上手くいかなかった」などが原因で家賃保証の原資が足りなくなり、物件を販売した売買利益や業者からのキックバック(謝礼)の資金を流用して家賃の支払いをしていました。
しかし、主に融資をしていたスルガ銀行が融資をストップしたことで物件を建てる資金が底をつき、自転車操業ができなくなったことで家賃送金をストップすることになったというのが今回の事件です。
かぼちゃの馬車の契約について
今回のスマートデイズ30年間サブリースは、契約当初と同じ家賃を30年間保証してくれるということで投資家にとっては非常に魅力的な商品でした。
しかし、近年話題となったアパートのサブリース問題にあったように、借地借家法により借主であるスマートデイズは家賃の減額が可能であり、スマートデイズはそれを悪用した形です。
実際の契約では、30年間サブリースすることを約束する覚書を交わして投資家を信用させるなど詐欺まがいの行為を行っていました。
一般的に、サブリース会社は、相場家賃の85%~90%でサブリースするケースが多く、家賃を高く貸したり、リフォーム費で稼ぐ等して運営をしています。
しかし、スマートデイズが提示しているサブリース賃料は相場賃料よりも高く、仮に満室であってもスマートデイズの経営は赤字になることは明らか。それを入居者の就職斡旋事業でカバーするという話でしたが実際はほとんど売り上げが無い状態でした。
投資家に支払う家賃は当然足りないわけなので、スマートデイズがどこから資金を融通していたかというと、建物の売却益と業者からのキックバック(謝礼)。
スマートデイズの契約においては、不動産業界の常識では30年間同額でサブリースは無理という見解がほとんどで、購入を止めるように言った不動産業者の話もよく耳にします。
スマートデイズのシェアハウス販売については、最初から計画的に倒産が仕組まれていたのではという疑いも出ています。
スルガ銀行が融資を停止した理由とは?
シェアハウス投資に対して、多くの金融機関は融資を見送っていましたが、不動産投資向けローンに積極的なスルガ銀行がスマートデイズの提携金融機関として融資を行っていました。
今回のスルガ銀行のシェアハウス投資に対しての融資は、横浜のある支店がほとんど実行していたようです。
平成29年に入ってスマートデイズは更に拡大路線を続けていくわけですが、この辺りから一部メディアや不動産業者の間でもスマートデイズの経営に対して疑問の声が。
そして、平成29年の10月下旬にスマートデイズが一方的に家賃の減額請求を行います。
この家賃の減額発表の前にスルガ銀行が融資を停止したと言われており、実際に公表されていないのでわかりませんが、スルガ銀行本体がシェアハウスへの投資に何らかの問題があるという情報を入手したと考えられます。
業界では良くある嵌め込みか?
不動産業界の一部の業者では、不動産の知識のない情報弱者を相手に、色々な手口で「嵌め込み」(損をさせること)を行っています。
例えば、今回のシェアハウス投資では、サブリース契約において30年間家賃保証をしても実際には家賃の減額や契約の打ち切りができることは伝えていません。
30年間家賃保証をするという別途覚書を作成する用意周到ぶりです。
一般の不動産業者からみれば、この契約は本当に大丈夫?と思えるものですが、情報弱者の投資家にとっては魅力的な商品に見えるわけです。
他には、空室が多い物件を売却する際に、一時的に自社の社員を住ませたり、サブリースを行って家賃収入があるように見せかけ、購入したら一気に退去してしまうケースなどもあります。
このように不動産業界では一部ですがこういった嵌め込みが行われており、今回のスマートデイズの行為がシェアハウス投資詐欺ではと言われるのは仕方がないかもしれません。
しかし、実際には会社としては30年間家賃保証するつもりだった、申し訳ありませんと言われると詐欺で立証するのは非常に難しいことが予想されます。
6. シェアハウスによるトラブルが起きないように事前にルールを決めておく事が重要!
シェアハウスでトラブルなく、気持ちよく生活をするには事前にルールを決めたおくことが重要。
ひとつ屋根の下で知らない他人同士が一緒に住むわけですから、ルールも決めずにいるとトラブルの原因になります。
管理会社によるハウスルールがある場合は、入居者の際にハウスルールについてよく読んで確認しておきましょう。家主が管理しているような小規模のシェアハウスの場合は、家主がある程度ルールを決めているかもしれませんが、やはり素人なので不備も多いでしょう。
その際は、一度入居者同士で話し合いの場を持ち、ルール決めを行う方がお互いメリットも多いはず。
シェアハウス生活を楽しむために、お互いを尊重し合い、決められたルールをきちんと守って生活しましょう。