いま日本は超低金利時代なので、銀行にお金を預けても利子が期待できません。そのため投資を始める人がここ数年で急増中。若い人からお年寄りまで、幅広い年齢層で投資が人気を集めています。
しかし投資商品はとてもたくさんあるので、どれを選べばいいか悩みますよね。また金利ばかりに注目して商品を選んで、失敗する話もよく聞きます。
まず投資商品を選ぶときは、金利の仕組みを知っておく必要があります。低金利時代に適した投資商品を上手に選んで資産を増やしたいものですよね。
今回は金利の基礎知識を簡単にご説明します。また金利からみたおすすめ投資商品を4つご紹介いたしますので、最後までお付き合いください。
目次
1. 金利が及ぼす影響にはどんなものがある?
1-1. 金利が上昇するとどんな事がおきるのか?
金利が上昇すると、預金金利やローン金利が上昇します。預金で利息が期待できれば、みなさんどんどん預金しますよね。
銀行に預けるだけで儲けられるので、これほど楽なことはありません。
すると反対に株式や為替などの投資が落ち込みます。わざわざリスクの大きな投資に手を出すより、定期預金で安全に儲けた方がいいわけですね。
1-2. 金利が下がるとどんな事がおきるのか?
金利が下がると、預金金利やローン金利も下がります。銀行にお金を預けても金利が期待できなければ、金融商品に投資する人が増え、市場は活発化します。
株価は金利が下落すれば上昇していきます。つまり金利の下落は株の買い時とも言われています。
1-3. 金利の上げ下げは企業にも影響が出てくる
銀行から融資を受けている企業は、金利の上げ下げが影響してきます。たとえば金利が上がれば利息が増え、金利が下がれば利息が下がります。
また金利が下落する場合には、企業は余っているお金を預けないで、積極的に設備投資などを行います。その結果、企業の業績が上がることもあります。
1-4. 金利に影響されやすい企業について
金利に特に影響されやすいのは銀行です。特に日銀の金利政策が発表される日は、銀行の株価が大きく動きます。
これを狙ってくる投資家も多く、その日は出来高が大きくなることが多いです。
2. マイナス金利について知っておくべきこと
2-1. そもそもマイナス金利って何?
金融機関が日銀にお金を預けた場合の金利は0.1%でした。しかし2016年2月から金利がマイナスになるという金融政策がスタート。
これを「マイナス金利政策」といいます。これは金融機関が日銀にお金を預けないで、市場でお金を流すことが狙いの金融政策です。
2-2. マイナス金利になる事で暮らしにどんな影響が出てくるのか?
マイナス金利というのは日銀と金融機関との話。
それでは我々個人には無関係かというと、そうではありません。たとえば次のような影響を受けます。
- 預金の金利引き下げ
- 住宅ローンの金利引き下げ
- 生命保険の利率の引き下げ
全体的に金利や利率が下がります。
2-3. お金の価値が下がるとどんな影響があるのか?
日銀は物価上昇率2%を目標に掲げています。これまで長く続いたデフレからの脱却を狙ったもので、アベノミクスの一貫。
2%の上昇は、つまり毎年物価が1.02倍に上昇すること。一般的に物価が上昇するとお金の価値が下がります。
その分、給料も上昇してくれたらいいのですが、物価上昇に追いつかなくなると、今まで買えたものが買えなくなるかもしれません。
3. マイナス金利だからできる投資について
3-1. 投資で高配当で利回りのよい銘柄に人気が集まっている
マイナス金利のおかげで銀行にお金を預ける価値がなくなったので、高配当銘柄への投資に人気が集まっています。特に安定した配当を出している銘柄には注目が集まっています。
3-2. 債券ファンドが値上がりする
マイナス金利になると、既に発行済みの国債利回りの方が良くなるので、債券ファンドに買い手が集まり値上がりします。
3-3. マイナス金利によりREIT(リート)が注目されている
REIT(リート)とは、Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)の略称で、投資家から集めた資金で不動産に投資する会社型の投資信託。
自分で不動産投資を行うのが不安な個人にも、利回りの高さから人気を集めています。
4. 金利が上昇期に入った場合のおすすめの4つの投資について
①債券について
債券とは国・地方自治体・企業などが投資家から資金を集める方法。債券には次のようなものがあります。
- 国債(国が発行)
- 地方債(地方が発行)
- 社債(企業が発行)
- 外国債券(海外市場で発行)
債券は金融機関などで購入できます。利子や満期日などが決められていて、満期日には額面金額が返金されることになっているので、比較的安全性が高い金融商品。定期預金よりも高い利子が期待できます。
②株式について
株式は一般的に次の3種類で利益を出すことができます。
①「株価の値上がりによる利益」
②「配当収入」
③「株主優待」
短期的な投資では、安く買って高く売ることで利益を手にすることができますが、初心者にとってそんなに簡単にはいきません。
株式投資は銘柄選びも難しく、経験も重要なポイント。しかし配当収入や株主優待でも利益が得られるので、長期的な視点で投資するといいでしょう。
③商品について
商品先物取引の商品は、金・白金・銀・ゴム・原油・大豆・とうもろこしなどがあります。
商品先物取引の特長
①買い、売りのどちらからでも取引可能
②少額資金で取引可能
③短期間でもハイリターンが期待できる
デメリットは元本が保証されていないこと。また元本以上の損失を被る可能性があります。
相場の値動きを分析することが難しいので、初心者には少し難しい取引ではあります。余裕のある資金で、チャート分析をしっかり研究すれば、ハイリターンが期待できます。
④変動金利資産について
バンクローン
バンクローンとは企業が銀行から受けるローンのこと。
バンクローンは銀行が機関投資家などに向けて転売。好利回りが得られることで注目を集めています。
アメリカでは大きな市場ですが、日本ではあまり知られていません。
バンクローンは国債に比べて利回りは期待できますが、その分ハイリスク商品。
しかしバンクローンは一般的に信用の低い企業に対して担保を設定。そのため債務不履行になった時の債務弁済順位が高くなるので、安心できる面もあります。これから日本でも広がっていくことが期待されています。
ABS
ABSとはアセットバックトセキュリティ(Asset Backed Securities)と呼ばれ、資産担保証券のこと。企業が保有する不動産などの資産を企業から分け、それを原資として発行する証券です。
まず企業から資産を分ける手続きとして、特別目的会社(SPC)を設立。それからSPCに企業の資産を移します。
そしてSPCはその資産を元に証券を発行。このため企業がもし倒産しても、SPCに移管された資産が残っているため、投資家への支払いができます。
ここで担保とされる資産とは、不動産以外にも次のようなものがあります。
- 売掛金
- 債券
- 各種ローン(自動車ローン・住宅ローン・クレジットカードローンなど)
ABSもバンクローンと同様に、今後日本でも広まっていくことが期待されている金融商品です。
5. 投資初心者におすすめの元本保証があって、換金しやすく、金利も比較的高い金融商品を紹介!
5-1. ネット銀行の普通預金がおすすめ
ネット銀行は店舗を持たないため、コストがかからない分、預金金利が一般的な銀行より高くなっています。
中にはメガバンクの100倍を超えているところも。その他、国債なども取り扱っているのでおススメです。
5-2. カードや証券口座の開設が面倒な人は定期預金がおすすめ
お金の管理や投資が面倒な人は、定期預金がおすすめ。少しでも金利の高いネット銀行から選ぶのがいいでしょう。
銀行によってはクレジットカードを申し込んだり、公共料金の口座振替を申し込んだり、何かしらの申込をすることで金利優遇なんてところもあります。
5-3. 国が元本と利息を保証してくれる個人向け国債がおすすめ
個人向け国債は、国の発行ということでローリスクといわれています。銀行などで購入できますし、少額から買えるので初心者にもおすすめです。
- 個人向け国債の特長
- 購入手数料は無料
- 固定3年・固定5年・変動10年の3種類
- 最低購入金額は1万円
- 6か月ごとに利子がもらえる
- 最低金利は0.05%
- 中途解約可能(但し発行して1年経過後)
個人向け国債は定期預金と似ているように見えますが、国債は金融商品のため売買できるなど違いがたくさんあります。
5-4. 個人向け国債(変動10年)の場合、金利上昇にも対応する事ができる
個人向け国債には固定3年・固定5年・変動10年の3種類があります。この中で変動10年がおすすめ。
今は超低金利時代で今後金利が上昇する確率が高いので、変動10年なら将来的にたくさんの金利が得られる可能性が高いです。
6. 投資信託について
6-1. 投資信託には元本の保証はあるのか?
投資信託に元本保証はありません。投資信託だけでなく、基本的に金融商品は元本割れの可能性があります。
よく国内の投資信託は海外投資信託と違って元本割れリスクがないと勘違いしている人がいます。しかし実際にリーマン・ショックの時に多くの投資家が元本割れとなりました。
6-2. 元本保証に近い投資信託は2種類ある
国債や社債は元本保証に近い投資信託といえます。
元本保証はありませんが、極めてローリスク商品。国債は日本が破綻しない限り元本保証され、社債は会社が存続する限り元本が保証されるからです。
6-3. 日本国債とはどんな商品?
日本国債とは日本国が発行する債券のこと。国の予算の足りない分が、国債を発行することで補われています。基本的にどの債権も元本は保証されていません。
しかし国が発行しているということで、極めてリスクが低いと考えられています。国債の購入は銀行や証券会社など、金融機関で買うことができます。個人の場合は、「個人向け国債」になります。
日本国債の特徴
- 5万円から投資可能
- 6か月に1回ずつ利子がもらえる
- 購入手数料は無料
- 満期は2年・5年・10年
6-4. おすすめの日本国債ファンドについて
「ニッセイ国内債券インデックスファンド」は日本国債ファンドの中では一番おすすめ。これは国債だけに投資しているので、元本割れリスクが低くなっています。
また信託報酬料が他のファンドと比べて0.1566%と最も安いのも魅力の一つ。
6-5. アセットアロケーションでリスク分散できる方法について
アセットアロケーションとは投資先を分けることができるもの。
リスクヘッジにもなり、少しでも大きなリターンが期待できます。たとえば1万円の投資を8,000円を国債に、2,000円を株式に投資するなど分けられます。決め方は利回りから選べるので簡単です。
6-6. 証券会社やファンドが倒産した場合どうなってしまうのか?
証券会社が倒産してもお金は戻ります。証券会社はただの窓口なので、投資金とは関係ありません。
またファンドが倒産した場合、別のファンドに移されるか、すぐ投資金が償還されるのでお金は戻ります。
7. 人気の投資信託ランキング上位3社
7-1. 債券型のおすすめ上位3社
順位 | ファンド名 |
1位 | エマージング・ボンド・ファンド・豪ドルコース(毎月分配型) |
2位 | ファデリティ・USハイ・イールド・ファンド |
3位 | 高利回り社債オープン・為替ヘッジ(毎月分配型) |
7-2. REIT型のおすすめ上位3社
順位 | ファンド名 |
1位 | アジアリートファンド(毎月分配型) |
2位 | ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型) |
3位 | 通貨選択型Jリート・ファンド(毎月分配型)ブラジルレアルコース |
7-3. 国内株式型のおすすめ上位3社
順位 | ファンド名 |
1位 | 野村インデックスファンド・日経225 |
2位 | 日本株アルファ・カルテット(毎月分配型) |
3位 | 野村インデックスファンド・JPX日経400 |
7-4. 国際株式型のおすすめ上位3社
順位 | ファンド名 |
1位 | グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決済型) |
2位 | 米国好配当株プレミアム戦略ファンド(毎月分配型) |
3位 | 野村インデックスファンド・外国株式 |
8. 投資を始める前にまずは金利について良く知った上で始めよう!
超低金利時代なので投資にはとても注目が集まっています。しかし投資にはリスクがつきもので、その度合いが金融商品によって違います。
できるだけ安全な投資を狙うとリターンが期待できないことも。そうかといってハイリターンに飛びつくと、元本割れして痛い目に合うこともあります。
投資は自己責任なので、金利や商品の仕組みをしっかりして、投資で失敗しないようにしましょう。
今ならMIRAIMOを友達追加いただいた方にもれなく、
オリジナルのe-book「中古マンション購入チェックリスト」をプレゼント!