不動産投資をするなら「東京23区」がいい。
多くのセミナーや不動産投資本がそのように伝えています。では、実際東京23区はなぜ、不動産投資先としてここまで推奨されるのでしょうか?低利回りでありながら、人気の高い「東京23区」の不動産投資の現状を解説します。
現状の不動産投資市況から「駅力」という観点から考えるおすすめエリアまで、
今後の成長力も加味して、東京23区での不動産投資物件の選び方を検証していきます。
目次
1, 東京23区、不動産投資の現状
現在、不動産投資は資産運用方法の一つとして、投資家や資産家だけでなく、サラリーマンにまで浸透してきています。その理由は金融緩和による銀行融資の過熱です。銀行は返済能力のある人材に対しては、融資を行います。業績が不透明な中小企業よりも、きちんと収入があり、「不動産」という担保も取れるサラリーマンに対しては返済能力があると査定され融資がおりやすくなっているのです。これが、現在の不動産投資ブームの現状です。
しかし、この不動産に対する 加熱融資を危惧し、徐々に銀行の融資が厳しくなってきています。まだ、金利がすぐに上昇する気配はないですが、融資過熱により物件を購入できる人がふえたことによる物件価格の上昇は続いています。
今、東京23区の物件価格はバブル時を超える勢いで高騰しています。
2, 低利回りの東京23区で利益を出す方法
では、不動産価格が高騰して、利回りが低くなった東京23区で不動産投資を勧める理由はどこにあるのか、また利益を出すためにはどのような方法をとればよいか?検証していきましょう。
2-1, なぜ、東京23区なのか?
人口減少が叫ばれている日本の中で「東京23区」は人口が増加している数少ない地域である
不動産投資において「人口」は切っても切れない関係です。基本的に購入した投資物件の入居者から得られる家賃収入が不動産投資の収益になるからです。
東京23区が進められる大きな理由は、人口が増加しているというところにあります。
投資物件購入エリアが成功を左右する
東京23区で投資物件を探す場合、高額なお金を支払い物件を購入する場合が多いです。もしあなたが、サラリーマンでアーリーリタイアできるくらいの、家賃収入がほしいと考えている場合は、特にエリアに注意して投資物件を選ぶ必要があります。
どうしてかというと、東京23区は多くの人がいますが、同時に多くの物件が現在も建設され続けています。新築物件というだけでは、長期投資である不動産投資で利益を出す強みにはならないのです。
今後も成長していく、長期的に収益を望めるエリアかどうか、ということがとても重要になります。
「駅力」という観点でエリアを考える
東京23区で物件購入を考える場合、住みたい街ランキング常連!のような地域は総じて、物件価格が高いです。そこで、今後の成長が期待できる穴場エリアに投資をしましょう。
また、地方と違い、東京23区は自家用車でなく、公共交通機関を利用して移動することが一般的です。単身者であればなおさら、自家用車は必要ないでしょう。
ということで、投資物件を選ぶとき「駅力」はかなり重要になります。
2-2, 東京23区でおすすめのエリア
価格が高くても、駅地近の物件を選ぶのか。多少遠くなっても価格の安い物件を選ぶのか。これは投資スタイルによって異なります。
ですが、「駅からの距離」だけでなく鉄道の路線が持つ「不動産力」についても注目してエリアを選ぶことが大切です。
いままで、東京23区の中で人気があったのは「港区」・「渋谷区」・「世田谷区」・「千代田区」といったエリアである。利便性、不動産力、人口ともに申し分ないが、価格が高い。購入できる投資家も入居できる人も限られてしまう。
そこで、今一つ人気の低いが「利便性の良いエリア」に人気が集まってきている。
具体的には「台東区」・「墨田区」・「葛飾区」・「江東区」・「江戸川区」エリアです。
このエリアを通っている路線は、ダイレクトに地下鉄に乗り入れている路線が多い。大手町や新橋といった都心部の勤務先まで家から1時間以内で到着する。1時間以内の通勤時間はとても魅力的です。
共働きの家庭や、単身者の中でもある程度家賃を抑えたい人たちにとって、職住近接が求められた結果、ブランド価値のあるエリアよりも、立地による利便性が最も重要視されるようになってきている。
2-3, リスクと回避POINT
不動産投資における代表的なリスクと回避POINTを表でまとめました。
リスク一覧 | 内容 | 回避POINT |
空室リスク | 物件に誰も住んでくれず、家賃収入が手に入らない状況 | 購入前に入念に市場調査を行う |
家賃滞納リスク | 入居者が家賃を支払わず物件に居座る状況 | 管理会社に頼み、なるべく早く支払ってもらえるよう督促するか、退去してもらう |
老朽化リスク | 経年劣化により建物の老朽化 | 入居率に影響を及ぼすほど老朽化する前に、リフォームを行う |
低流動性リスク | 不動産投資は売却に時間がかかるため、やめたくてもすぐにやめられない | 購入の時点で、売却のタイミングまで考える |
天災リスク | 地震や火災などによって物件が破損してしまうこと | 保険に入り備える。所有する物件が複数の場合は地域を分散させる |
金利上昇リスク | 変動金利の場合は、返済額が元の計画より高くなってしまう | 多少の上昇は想定して返済計画を考える。想定外の上昇の場合は繰り上げ返済し元金を減らす・物件の売却を検討する。 |
投資にリスクは付き物です。リスクを知り、最小限に抑えることが不動産投資で失敗しない重要なポインです。
3, 今後どうなっていくのか?
不動産投資において、投資エリアの今後を考えることはとても大切です。不動産投資は物件を購入してやっとスタートラインに立つことができます。そこから利益を出して、収益を増やすのですから、今よりも先のことが重要になります。ですので、今後の展望についてはきちんと予測しましょう。
3-1, 不動産投資がまた身近なものではなくなるかも?
不動産投資の過熱により物件価格が高騰しているという現状があります。
そうすると、不動産投資を始まることができる人=高額な物件を購入できる人になっていきます。
もしくは、現金で一括購入できる人。
どちらも、一般的には少ない存在です。現在のようにサラリーマンでも手軽に、という風潮は落ち着かざる負えないでしょう。
それでも、不動産投資を始めたい!という方は、無理に東京23区にこだわらない。という広い視野を持ちましょう。東京23区で区分マンションを購入するのに2000万円。地方であれば一棟のアパートが買えます。
あなたは、不動産投資で安定した家賃収入がほしいのですか?それとも、東京23区で物件を持つステータスを味わいたいのですか?
不動産投資はあくまで、あなたの夢をかなえる手段なのです。利益が望めるなら、今後は東京23区にこだわる必要はないかもしれません。
3-2, 東京23区への一極集中は解体されていく
現在は、都心部への人口流入が続いている状況です。若い層も都心へ進学や就職を夢見ています。
しかし、インターネットを経由して仕事ができる環境が現在よりも整えば、どこにいても仕事をすることは可能になります。
わざわざ、毎朝早起きをして満員電車に乗るようなつらい思いをしなくて済むのです。
大手企業でも、自宅で仕事をする選択ができるようになっています。これは今後、働き方の新常識として浸透していくかもしれません。
そうなったとき、東京23区の価値は、少なくとも今より下がるでしょう。ですが、東京は日本の中心都市です。働き方が変わったからと言って、すぐに価値がなくなる、なんてことはないと考えられます。
もしかすると、新たな動きとして、いままでニーズがないと考えられていた地方都市から人気エリアが出現するかもしれません。
不動産は動くものであるという考えを持ち、時代の流れを読みながら20年後を予想して投資先を選びましょう。
4, 東京23区の不動産投資物件選びのポイントをおさえておこう
東京23区の不動産投資とは
- 価格は高いがリスクは今のところ低い
- 今後も再開発が行われるため、売却で利益を出すことができるかも
- 民泊を行い、賃貸よりも高い収益を出すことができる
- 東京というだけで地方からすると魅力的
- 一極集中が解消するとしても、まだ先の話
- エリアの特性を理解して様々な投資方法が試せる
日本で不動産投資を考えた時、価格が高く利回りが低いということを除けば、これだけ様々な投資方法を試せて、可能性のあるエリアはないでしょう。
収益性は今のところ低いですが、不動産投資は長期投資です。今後の戦略をあなた自身が練ることで、もっと魅力的になります。
今は、まだ銀行融資をサラリーマンでも受けられる可能性が残っています。始める方法がなくなってから、やりたかったでは遅いです。
環境が整っている今こそが東京23区での不動産投資を始めるチャンスかもしれません。