複利ってご存知ですか?
複利とは、簡単にいうと元本に利息を加えた金額を新しい元本とし、その元本に対して利息が計算される方法です。
つまり毎年元本が増えていくので、同じ利率であれば雪だるま式に手にするお金が増えていきます。そんな複利のメリットを不動産投資に活かすという考え方があるのです。
不動産投資で利息と聞くと、ローンの返済時に適用される利息を思い浮かべるでしょう。
しかし、不動産投資に複利を活かすとは、ローン返済時の利息とは別物になります。不動産投資で得る利益に対して複利を活用することを指すのです。
具体的な不動産投資における複利の活用方法としては、投資する物件の数を増やしていくことが挙げられます。
では、複利をどのように不動産投資に活かすのか、また複数の不動産を所有することにどのようなメリットがあるのかをご紹介しましょう。
目次
1. 複利とは何か|不動産投資における複利
複利とは、発生した利息を元本に加えて新たな元本にすることです。
たとえば、元本が100万円で年利5%だとすると、元本の100万円に1年目に発生した利息5万円を加えた105万円を新たな元本とするのです。
単利の場合元本は変わらないのですが、複利にすることで毎年元本が増えていくので2年目からは利息の額も増えていきます。複利とは、得た利息を元本に加えて再投資するという考え方です。
単利との違い|複利効果
単利の場合、元本の額が変わらないので、年利が変わらなければ毎年同じ利息を受け取ることになります。
100万円の元本で年利が5%であれば、受け取る利息は毎年同じ5万円であり、変わることはありません。
一方で、複利だと1年目は単利と変わりませんが、2年目は元本が100万円+利息5万円の105万円、3年目は105万円+利息5.25万円の110.25万円になり、元本はその後もどんどん増えていきます。
毎年、元本が増え利息も増えていく効果を複利効果というのです。
72の法則
72の法則とは、元本が2倍になる年利と年数について求めることのできる計算式です。
72の法則の計算式 |
年利×年数=72(定数) |
たとえば、年利4%で運用するのであれば、「72÷年利=年数」と式を変形すると「72÷4=18」となるので、18年で元本が2倍になると分かります。
また、年利を何%にすれば10年で元本が2倍になるのかを求めるには、式を変形して「72÷年数=年利」にすると「72÷10=7.2」となり、年利が7.2%であることが分かります。
不動産投資における複利
複利の考え方を不動産にあてはめると、最初の物件で発生した利益などで新しい物件を購入して利益を増やしていくことになります。
たとえば、家賃収入で得た利益を頭金として新たな物件を購入するのです。
2. 複利のメリット|シミュレーションで比較
不動産投資で複利のメリットを応用するシミュレーションをご紹介しましょう。
たとえば、価格2,000万円の物件を頭金200万円で購入したとしましょう。
1年間で手にする利益がローンの返済額や諸経費を除いて物件価格の1%だとすると、次のようなシミュレーションになります。
単利の場合
1年間の利益が「2,000万円×1%=20万円」になるので、毎年20万円の利益が累積されていきます。
年数 | 利益(累積額) |
1年目
2年目 3年目 ┇ 20年目 |
20万円
40万円 60万円
400万円(20万円×20年) |
複利の場合
不動産投資に複利を応用する方法とは物件を買い足すことなので、物件数が合計3件になるまで3年ごとに貯えた利益で物件を購入します。
年数 | 利益(累積額) |
1年目
2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 ┇ 20年目 |
20万円
40万円 60万円(2件目購入、価格600万円・頭金60万円) 20万円+6万円 40万円+12万円 60万円+18万円(3件目購入、価格780万円・頭金78万円) 20万円+6万円+7.8万円(7年目以降、毎年3件分の利息33.8万円が累積)
280万円+84万円+109.2万円(合計すると473.2万円) |
【結果】20年後に73.2万円の差!
物件が1件であれば、20年間で累積される利益は400万円です。
ところが、3件になると20年間で累積される利益が1件目280万円、2件目84万円、3件目109.2万円になり合計473.2万円になります。複利を応用することで20年後に73.2万円の差が生じるのです。
3. 利益だけじゃない!複数物件所有のメリット4つ
複数の物件を所有するメリットは、複利的な利益を得るためだけではありません。その他にも、さまざまなメリットがあるのでご紹介します。
①ローンをまとめられる
複数の物件のローンをまとめて、現在の低い年利で借り換えができればメリットがあるでしょう。
不動産投資のローンは物件ごとに契約するのが一般的です。しかし、収益性の高い物件を所有していれば、金融機関の評価も高くなり借り換えの可能性が高まるのです。
②分散投資によるリスクヘッジ
複数の物件を所有することで分散投資ができ、リスクを分散することができます。
たとえば、複数の物件のうち、いずれかの物件の収益が落ち込んだり地震などで収益を得ることができなくなったりしても、他の物件の収益でリスクを最小限にすることができます。
③保険的な効果
不動産を購入するときには、団体信用生命保険に加入します。万が一、物件を購入した人が亡くなっても保険を利用してローン残高を返済することが可能です。
残された家族のためにも加入すべき保険といえます。
④最初の経験を活かせる
複数の物件を所有することは大変なような気がしませんか?しかし、投資とは経験やノウハウが思いのほか役に立つのです。
金融機関も不動産投資の経験があり、実績を上げている人であれば融資が実行される可能性が高くなります。
4. 複利で運用利益を得るために|注意するポイント3つ
複利運用では、大きなお金が動くため注意しなければならないポイントがあります。特に気をつける必要のある3つのポイントをご紹介しましょう。
①キャッシュフローの波
キャッシュフローとはお金の動きです。不動産投資には、家賃収入を得てローンを返済するという流れがあります。この流れに波があると、運用がつまずくことにつながります。
空室や滞納により家賃が得られないとローンの支払ができず破産リスクを負うのです。
対策として分散投資をするなど、リスク管理をしておく必要があるでしょう。リスクとリターンを一定の水準に保つことがポイントになります。
②元本が保証されない
不動産投資における複利運用とは、元本などの貯えた利益を自己資金として新しい物件に投資するという仕組みです。常に元本を組み入れて再投資するので、元本が保証されることはありません。
したがって「お金を自由に使いたい」という人には向いていないと言えます。
③維持費などで持ち出しが増える可能性
不動産投資の場合、物件自体を維持していく必要があります。管理会社に支払う委託料や建物の修繕費などです。
物件が増えれば当然維持費も増えるので、あらかじめ維持費を含めた運用計画を立てないと持ち出しになるかもしれません。
レバレッジで逆ザヤ状態に
レバレッジ効果とは、「テコの原理」を利用するということです。たとえば、5,000万円の物件を購入するときに現金で購入する人は少ないでしょう。
500万円程度手持ち資金があるか、年収が500万円程度であれば、金融機関からの融資の可能性が高まります。
つまり、少ないお金で大きなお金を動かすことをレバレッジ効果というのです。
しかし、もともとの手持ち資金自体は多くないので、運用に失敗すれば返済が焦げ付くという逆ザヤ状態に陥ります。
5. 複利は魅力ある資産運用方法のひとつ!かつてない利益を得られるかも?
複利の考え方を不動産投資に応用すると魅力ある資産運用方法になります。
ひとつの投資物件から得ることのできる利益に比べると、複数の物件を持つことで利益が何倍にも膨れあがる可能性があります。
しかし、複利の恩恵を得るためには、長期間の運営を念頭に置く必要があります。
したがって、少しでも若いときから始めることで多くのメリットを受けやすいのです。豊かな老後を望むのであれば、選択肢のひとつとして早めの検討をおすすめします。
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