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不動産の債務超過とは?|債務超過を調べる方法を分かりやすく解説!

不動産の債務超過が不動産投資に与える影響は少なくありません。不動産投資をするときに債務超過はつきものでしょう。

しかし、投資を継続して拡大しようと思えば、債務超過は避けなければならないのです。

債務超過が不動産投資を進めるうえで何に影響を与えるのでしょうか?債務超過の意味や調べ方を具体的な数字を使うことで分かりやすく説明します。

特に不動産投資を始めたいと考えている人にとっては、欠かすことのできない内容です。

バランスシートという専門用語も出てきますが、一定のルールさえ覚えれば難しいものではありません。

不動産投資をするうえで、「債務超過」はどうしても必要な知識なのでご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

1. 不動産に係る債務超過について

債務超過の意味をご存知ですか?「債務が超過する」…詳しくは、わからなくても良いイメージは持たないでしょう。

そもそも債務超過とは?

簡単に説明すると、債務超過の意味は、債務(借金など)の総額が資産(不動産など)の総額を超えてしまうことです。やはり良くない状態のような気がしますね。しかし、債務超過が必ずしも悪いとはいえません。

実際に債務超過の状態の人は少なくありません。一般の人であれば返済計画にもとづき滞りなく返済をしていれば特に問題はないでしょう。

しかし、債務超過の内容を把握していなければ問題があります。特に投資家にとっては投資のポイントになる問題です。

2. 債務超過はバランスシートで見抜ける!

特に「今後、不動産投資を始めたい」または「不動産投資を続けたい」という人は、債務超過なのかどうかをしっかり把握する必要があります。

ポイントは、バランスシート(貸借対照表)です。

2-1. 不動産投資をするにはバランスシートが重要になる

債務超過なのかどうかを判断するにはバランスシートを知ることから始めましょう。

バランスシートは、会社が決算のときに使用するだけではありません。個人投資家にとっても大切なツールなのです。

バランスシートを利用すると、自分の資産や負債の状況を一目で確認することができます。一通りのルールさえ覚えれば、決して難しいものではありません。

そもそも、投資計画を継続するためには欠かすことができないのです。

2-2. 資産と負債って何?違いを知っておこう!

資産とは、お金が入る原因になるものです。

資産とは
現金・預貯金・株式・不動産・売掛金(掛で売ること)など

負債とは、お金が出る原因になるものです。

負債とは
借金・買掛金(掛で買うこと)など

2-3. バランスシートから分かる債務超過の見方について

バランスシートのルールは、左に「資産」を記載し、右に「負債」を記載します。

そして、左右の総額を同じにして(バランスをとって)差額を「純資産」とするのです。「純資産」は、「資産」が多ければプラスになり「負債」が多ければマイナスになります。

バランスシートの仕組み(純資産がプラスの場合)
預貯金:300万円 借金:800万円
不動産:1,000万円

 

純資産:500万円(プラス)
バランスシートの仕組み(純資産がマイナスの場合)
預貯金:300万円 借金:1,500万円
不動産:1,000万円

 

純資産:200万円(マイナス)

純資産が右側にあればプラスなのですが、純資産が左側にあるとマイナスになり「債務超過」になるのです。

2-4. バランスシートには2つの見方がある

実は、バランスシートには2つの種類があります。

個人や法人が確定申告や決算で使用するバランスシートはご存知でしょう。ところが、金融機関が作成するバランスシートもあります。

具体的には、融資の審査をするうえで、金融機関側が審査のために個人や法人のバランスシートを再評価して作成するのです。

2-5. 個人や法人が実際に使用しているバランスシート

たとえば、個人や法人が実際に使用しているバランスシートでは、資産の価格は実際に購入時に支払った金額になります。

たとえば、1,000万円で建物を購入し800万円のローンを組んだとしましょう。

バランスシートは下記のようになります。

個人や法人が実際に使用しているバランスシート
建物:1,000万円 借入金:800万円

 

純資産:200万円

個人や法人のバランスシートでは、純資産が200万円あるとされます。

2-6. 金融機関が使用するバランスシート

金融機関が使用するバランスシートでは、建物の価格が購入時に支払った金額ではなく、現時点での実際の評価額になるのです。

たとえば、建物を購入後に長い年月が経過していれば、建物の価値は300万円程度になっているかもしれません。

バランスシートでは下記のようになります。

金融機関が使用するバランスシート
建物:300万円 借入金:800万円
純資産: 500万円(マイナス)

 

金融機関が使用するバランスシートでは、純資産がマイナスです。したがって、金融機関にとっては、債務超過になるので融資が難しくなるのです。

2-7. 新築の家やアパートは債務超過になる可能性が高い

たとえば、サラリーマンが新築の住宅をローンで購入したようなときは、債務超過になるケースが少なくありません。なぜなら、「新築物件は購入したとたんに2割程度は価値が下がる」といわれるからです。

具体的には、5,000万円で購入した住宅が、あっという間に4,000万円の価値になります。

単純計算で、「5,000万円-4,000万円=1,000万円」なので、その他に資産がなければ、1,000万円の債務超過になりますね。

3. 債務超過になるとどうなるの?防ぐには?

債務超過になると、どのような影響が出るのでしょうか?投資家にとって債務超過は、今後の投資活動にマイナスになります。

3-1. 債務超過だと融資を受けるのが難しくなる

金融機関の判断としては、債務超過の人は現時点ですでに資産よりも債務のほうが多いので新たな融資が難くなります。

なぜなら、現在借入金を返済している人に、さらに融資をすると返済が二重になるため滞る可能性が高いと判断できるからです。

債務超過だと融資を受けることができないとはいいきれないのですが、一般的に債務超過の人が融資審査をクリアするのは難しいでしょう。

3-2. 債務超過にならないためにはどうすればいいのか?

債務超過を避けるためには、新築のように購入後すぐに価格の下がる物件を避けることがポイントです。現時点での評価額までの融資にすれば、債務超過になることを避けることができますね。

4. 債務超過の評価方法は金融業者によって違う

金融機関により融資のためのバランスシートが作られるのですが、債務超過の評価方法は、金融機関により異なります。

しかし、新築物件を多数保有していたりすると債務超過になりやすいでしょう。

5. 債務超過になってしまった人が不動産を売却する方法

債務超過を解決するにはどうすればよいのでしょうか?

債務超過の不動産を売却してしまう方法があります。そこで、債務超過になった不動産を売却する方法をご紹介しましょう。

5-1. 債務超過の差額は自己資金でまかなう

債務超過の場合、売却額よりも借入額のほうが多くなります。

たとえば、売却額が800万円で借入額が1,000万円であれば、差額の200万円を預貯金などの自己資金でまかなうのです。

5-2. 債務超過の差額を借り入れする

売却額と借入金の差額を金融機関からの借入により支払う方法もあります。しかし、一般的な銀行からの借入は難しいでしょう。

5-3. 債務超過により任意売却をする場合

任意売却という方法があります。金融機関に抵当権を抹消するための交渉が必要です。

一般的に交渉は不動産業者などの専門家が進めます。ただし、差額分については無担保債権として残ることになります。

5-4. 債務超過の差額分で買い替えローンを組む

不動産を買い替えるときに利用できる、買い替えローンを利用します。

買い替え前の物件の売却額と借入額の差額を買い替え後の物件のローンに上乗せして返済するのです。

6. 不動産の債務超過を知るにはバランスシートについて良く理解しておこう!

一般の人が自宅として不動産を購入するのであれば、バランスシートの知識は、それほど重要ではないでしょう。しかし、これから不動産投資をしていきたいと考えているのであれば、バランスシートの知識は必要になります。

なぜなら、債務超過になれば不動産投資を継続していくのが難しくなるからです。不動産投資を継続させるためには、最初の物件探しの段階で債務超過にならないような物件の探し方がポイントになると考えてくださいね。

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